「お笑いはモテる」で男性芸人が増えた、女性は…
——この「女芸人の今」という特集全体のテーマとして、テレビが求める女性芸人像の変化、があります。テレビの作り手として宮本さんが感じる変化はありますか?
宮本 すごく多様化してきていますね。一方で「女性だから」というのがちょっと薄れてきているかもしれません。芸人さんのタイプとして、こういう人もあり、という。
——テンプレートみたいなものがなくなりつつあるみたいな感じでしょうか。
宮本 そうですね。成功例としてもいろんな方がいる。イモトアヤコさんのような方もいれば、渡辺直美さんのタイプもいれば、友近さんみたいなタイプもいる。
今回、『THE W』に出ていただいた方は新しい感覚の持ち主が多かったと思います。Aマッソさんや吉住さんもそうですし、にぼしいわしさんもそう。オダウエダさんなんか今までにいなかったタイプだなと。
——多様化は数が増えているからなのか、それとも、女性芸人の中でも何か吹っ切れた感じなのか。「こういう感じが女性芸人に求められている」みたいな呪縛から、皆さんちょっと解放されつつあるのか。
宮本 単純に人が増えているというのはすごく大きいかなと思いますね。男性芸人も「お笑い芸人で売れるとお金も稼げるしモテる」みたいなところで目指す人が増えた結果、レベル自体もすごく上がった。大昔に比べると、お笑い自体がより憧れの職業になってきているのかなと思うんです。
それは女性にも広がってきている。お笑いで成功することが「自己実現できる」近道じゃないですけど、そういう人も増えているのかもしれないです。
——今までどちらかといえば「負のサービス精神」……どれだけ奇抜なことができるかとか、いわゆる「女捨ててる」みたいな領域に入ることが求められていた女性芸人が、笑いで自己実現を達成できるようになったというのは、いつくらいから実感されていますか?
宮本 いつ頃ですかね……でも、ここ5~6年ぐらいが特にそういう風になってきている感じはしますね。渡辺直美さんの活躍は大きかったのではないでしょうか。
——なるほど、その変化の中で『THE W』も始まった。
宮本 そうですね。