今、女性芸人の世界が揺れている。女性芸人といえば、当たり前のように「ブス」「デブ」「非モテ」をいじられ、そこで強烈なインパクトを残すことが成功への足がかりとされてきた。
しかし、持って生まれた容姿や未婚か既婚かどうかの社会属性などを「笑う」ことに対して、今世間は「NO」という意思表示をし始めている。「個人としての感覚」と「テレビが求めるもの」、そして「社会の流れ」。三つの評価軸の中に揉まれながら、女性芸人たちは新たな「面白さ」を探し始めている。
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『女芸人No.1決定戦 THE W』。この女性芸人だけのお笑いコンテストは、鳴り物入りで始まったものの、開始当初は様々な批判を浴びた。「女性だけ」という規定に対する反発や、勝ち抜きという審査方法への不満、高額な優勝賞金と大会レベルへの疑問……しかし初代チャンピオンゆりやんレトリィバァをはじめ、阿佐ヶ谷姉妹、3時のヒロインなど、歴代優勝者がその後テレビでしっかり結果を出している点で稀有な大会でもある。
『THE W』は女性芸人に何をもたらしているのだろうか。『THE W』統轄プロデューサーである宮本誠臣さんに作り手側からの『THE W』を聞く。女性芸人が“賞金1000万円”より手に入れたいもの。
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「ようやくそういう番組になってきたんだなって」
——『THE W』という大会を開催するきっかけは何だったのでしょうか。
宮本誠臣(以下、宮本) 女性芸人さんの数が非常に多くなって、そういう大会を開けるだけの土台がまずあって。
特に日本テレビには『イッテQ!』とか、私が担当している『さんま御殿!!』とか、女性芸人さんが活躍する場が多く、そういった方たちで何か大会ができないかというのが始まりでした。一方で、女性芸人さんの中からも「女性芸人だけの大会みたいなものがあったら面白いよね」という話があったと聞いております。
——去年で4回目となりましたが、最初の方と今とでどんな変化がありましたか?
宮本 3回目の時にだいぶ大きく番組を変えました。審査方法を変更したりとか、『THE W』のライブを仕掛けていったりとか。そういうところで大会自体も大きく成長してきたかなという実感はあります。
Aマッソさんが、他の賞レースではなかなかできない映像漫才を「THE W」用に用意してきてくれたり、即席コンビを結成してエントリーする人が増えたり、「あの舞台に立ちたい」という女性芸人さんの声を多く耳にするようになったことが本当にありがたいです。ちょっとずつ、そういう番組になって来ているんだなって。