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督促を仕事にする女性は高収入の男性を狙う?

 程良くお酒が入ったころに相手のステータスを聞きだす手法は見事だった。彼女の頭の中にある年収算出シートのマトリクスにはすごい勢いでデータが入力されている。

(○×システムのSEで30歳ならだいたい600万ちょいかしら、役職ついてたら700万位かな。この会社は安定してるし、会社情報も良好ね~)

 こうして審査が完了すると、R子さんは同席している後輩に向かって力強く頷く。

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(優良債権!)

(ゆ、優良債権デスカー!!)

 R子さんの査定が下ったぁー! と俄然身を乗り出す後輩たち、女の戦いの始まりである。後は日ごろお客さまとの電話で培っている交渉能力で、オン(仕事中)はお客さまに入金の督促をし、オフ(仕事外)は彼氏にじわじわと入籍の督促をし、彼女たちは次々と結婚してコールセンターを去っていくのである。

©iStock.com

 でも督促をしていると、たとえ高収入の男性であっても奥さんに内緒でキャッシングをしていたりするのを目の当たりにしているだけに、だいたい最終的には飛びぬけて年収が高い男性よりは借金をしなさそうな堅実な男性を選んでいる気がする。ちなみにR子さんくらいの境地になると、その人が借金をしているか否かが匂いでわかるようになってしまうらしい。

督促OLの都市伝説

 ものすごく昔、まだコンプライアンスがゆるゆるだった時代、金融業界に勤めるOLたちはお客さまの借入の情報を自由に信用情報機関に照会することができた。その時代の金融業界に勤めるOLたちは、合コンでゲットした名刺を片っ端から照会して、

「やだ、この人、○○万円も借金ある~」

「こっちの人はまだキレイね」

 なんて査定を行っていたという都市伝説がある。

 今の時代、とてもじゃないがこんなことはできないが、いつの時代も女性はたくましいのだ。