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女子高生の流行を読む難しさは、プリ市場の参入障壁を上げているという。そのため、フリューでは自社の機種同士を競合させるようにプリ機を開発している。
「あるとき、撮影ブースの中で動画を撮りながら友だちへの誕生日サプライズをしているという工夫を聞いたのですが、彼女たちの自由な発想にはいつも驚かされます。これまで、プリのライバルといわれたツールはたくさんありましたが、一番手強いのは女子高生たち本人です(笑)」(前出・古澤さん)
今のプリは1回につきシール2枚…令和のJKはデータが主流
秋の空よりも変わりやすい女子高生と20年向き合っているフリュー。同社の最新プリ機は「午前0時のタイムリミット」、通称ゼロリミだ。
「これは『朝』と『夜』の2つのシチュエーションで撮影できるプリ機です。朝コースは朝の日差しや澄んだ空気を感じる柔らかい雰囲気。一方、夜コースは背景に黒いカーテンをおろして、夜の街でフラッシュを焚いて撮ったおしゃれさを再現しています。開発者が世界観を大切にしている機種なので撮影中にかかる音楽もこだわってるんですよ」
1プレイにつき、もらえるのは画像データ6枚とシール2枚(1枚200円で追加印刷も可能)。平成JKは「シール2枚は少ないのでは……」と思うかもしれないが、令和のJKは“プリ交換”をあまりしないらしい。プリ交換全盛期を過ごした筆者は少しさみしさを感じるが、激動の女子高生文化のなかで、今もプリが残っているのはフリューの企業努力にほかならない。