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「TikTokで流行の歌も、翌週には…」ヒアリングで分かった、令和JKの流行を読む“難しさ”

フリュー株式会社インタビュー #2

2021/02/12

 しかし、長くつづいた“デカ目時代”は2011年に終わりを告げ、続いて訪れたのが“ナチュラル盛り(ナチュ盛り)時代”だった。その背景には女性のアイドルブームが関わっていた、と古澤さん。

「中高生を中心にAKB48が人気を集め、メインユーザーの可愛さの基準が『ナチュラルだけど盛れてる』に変化しました。そこで、フリューのプリ機でも目の加工や顔の立体感を抑えたナチュ盛りを提案したら、一気に受け入れてくれましたね。目の大きさや肌の明るさを選べるなど、加工の選択肢も増えました」

“ナチュ盛り”を提案した「LADY BY TOKYO」も大ヒット。

 ギャル、デカ目、ナチュ盛り……と、プリの流行は短期間で目まぐるしく変わっていたのだ。

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20年以上も続く、現役女子高生へのヒアリング

 女子高生向けにビジネスを展開するうえで、フリューが大切にしているのは、彼女たちの生の声だ。同社ではプリ機事業をスタートした1997年から、現役の女子高生を対象にグループヒアリングを行っている。現在は新型コロナの影響でリモートや人数を制限して行っているが、毎週、女子高生の流行や最新事情に耳を傾けているという。

「ヒアリングを行っているバックボーンがあるからこそ『美人-プレミアム-』では目ヂカラ機能の公表にも踏み切れました。ただ、先回りをしすぎて受け入れてもらえず失敗した経験は何度もあります。

 ヒアリングでは、彼女たちにプリを撮ってもらい感想を聞くのですが『盛れてる』『盛れてない』を感覚で判断するので、どう盛れているかを具体的に言語化して読み解くのが大変です」(広報部・門脇さん)

 また、昔のように浜崎あゆみや人気の読者モデルなど、アイコンがいないことも流行の見極めを難しくしているという。SNSやYouTubeなど、流行の発生源が多岐にわたっているのだ。

©iStock.com

「先週『TikTok』で流行っていた歌も、翌週には全然流行ってなかったりするんです。SNSごとにも流行りが違うので、すべてチェックしています。一方で、プリ機の開発は約1年かかるので、翌年の彼女たちに響くものを作るためにもヒアリングは欠かせないですね」