ソニーの家庭用ゲーム機「PS5」の価格が9月2日から8万円弱に値上げされると発表がありました。ゲームファンの間には衝撃が走り、SNSでも関連ワードは軒並みトレンド入り。批判一色といった様相を呈しています。ソニーはなぜ今回値上げに踏み切ったのでしょうか。歴史を振り返りながら検証していきます。
◆◆◆
価格の変遷
PS5は2020年11月に通常版(4万9980円、税抜き)と、ディスクトレイなしのデジタル版(3万9980円、同)の2種類を発売。その後、2022年、2023年に値上げを行ったのですが、今回は過去2回の倍以上となる1万3000円もの大幅値上げ。通常版はほぼ8万円(正確には7万9980円)、デジタル版ですら7万円(7万2980円)です。あわせて周辺機器も値上がりし、コントローラーは1つで1万円を超える価格(1万1480円)になりました。
発売当初はPS5本体に対し、「性能に比べて安い!」と絶賛の声があがりましたが、その頃と比べて通常版が約2万5000円、デジタル版が約2万9000円も値上がりしたのです。
そもそも、従来の家庭用ゲーム機は、年数が経過すると値が下がるのが“常識”でした。実際にPS4の場合は、本体のリニューアルを重ねていきながら、発売から1年11ヵ月、さらにそれから約11ヵ月後のタイミングで、それぞれ5000円の値下げを行ってきました。それだけに今回の値上げに批判が起こるのも仕方ありません。発表後にはネットショップの在庫が即完売。このタイミングで購入を検討していた人たちからすると、ソニーに怒りの矛先を向けたくもなるでしょう。