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そして、翌9月には、ハルヲフォンのセカンドアルバム『ハルヲフォン・レコード』を発表する。
ここで一番意識したのは、エドガー・ウィンター・グループの『恐怖のショック療法(Shock Treatment)』というアルバム。同じバンドの『謎の発光物体(The Edgar Winter Group With Rick Derringer)』、エドガー・ウィンターのソロ『Jasmine Nightdreams』にも影響を受けた。
音楽理論的に考えると非常に高度で演奏も難しいんだけど、表面的には水商売っぽいくだらないものとして受け取られる、という点が尊敬に値する。本当にふざけてんなって。
世の中、本当に分かってないな
エドガー・ウィンターの名前を前面に押し出しながら、あのバンドで肝になるのは、ベーシストのダン・ハートマン。エドガー・ウィンターの作る曲は何か粗削りで、耳に引っかかる変てこりんな曲といえば、みんなダン・ハートマンが手がけている。
あと、リック・デリンジャーのギターの魅力だよね。ハルヲフォンの小林に一番近いギタリストは、リック・デリンジャーだと思うんだよ。あの達者さね。
リック・デリンジャーって、日本で言えば、ほとんどGS上がりみたいなもんじゃん。だって、ベンチャーズの曲名からバンド名を採った「マッコイズ」ってグループで10代から活動してたわけだから。
このアルバムは、俺のミュージシャン人生において本当に力を入れて作った何枚かのうちの一枚だったんだけど……ファーストに輪をかけて売れなかったんだ。世の中、本当に分かってないなと思ったよ。その失望が、次のアルバムの制作スタンスにつながっていく。