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衝撃だったセックス・ピストルズ

『ハルヲフォン・レコード』に関しては、ジャケットに写る俺がパンク風のスタイリングだから、音楽性もパンクであるかのように勘違いされがちなんだけど、違うのよ。

 収録曲は、すでにライブでのレパートリーとなっていたものばかり。その時点では、パンクというものは日本に伝わっていなかった。

ハルヲフォン・レコード

 このアルバムのレコーディングが終わった辺りかな、小暮徹さんが、「今、イギリスですごく流行ってる面白い音楽があるよ」と言って、パンクのレコードをロンドンから何枚かお土産に持ってきてくれたのよ。

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 やっぱり、一番の衝撃だったのがセックス・ピストルズ。際立って変で、画期的だった。それから、向こうの雑誌に載っていたジョニー・ロットンの格好にも驚いた。やっぱりピストルズは見てくれの魅力も大きい。他のグループには、それほどアピアランスに特徴がなかったじゃない?

 その頃は、普通にロックっぽい長髪にしてたんだけど、ピストルズを見て「よし、髪の毛を切ろう」と決めた。その格好でジャケットに写ったら新しいだろうと思ってさ。あの写真は、小暮さんが撮影してる。そんなわけで、『ハルヲフォン・レコード』では、ビジュアルとサウンドの間に乖離があるんだ。

1977年に撮影された英パンクバンド、セックスピストルズのメンバー。左からドラムのポール・クック、ベースのシド・ビシャス、ボーカルのジョニー・ロットン、ギターのスティーブ・ジョーンズ(イギリス・ロンドン)

 プラスチックスの中西俊夫も、同時に小暮さんからピストルズのレコードをもらって、案の定ハマってさ。あいつは特にひねることなく、引き裂いたTシャツを着たり、セディショナリーズのボンデージパンツを穿いたりしてたんだ。

 でも俺は、ピストルズと同じそのまんまの格好するのは、それこそパンクの精神に反すると思ったから、自分なりのオリジナルな解釈を加えてみた。例えば、パンクではお決まりのアクセサリーとして安全ピンがあったけど、あれを洗濯バサミに替えてみるとかさ。

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