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「結婚前に集団レイプされる女性も…」 中国で国際結婚を仲介する業者の悪質な“実態”

『中国人「毒婦」の告白』#31

2021/02/25

 2006年、“中国人妻の夫殺人未遂事件”が世間を騒がせた。お見合いツアーを経て結婚した中国人妻の鈴木詩織と、親子ほども年の離れた夫、鈴木茂。その詩織がインスリン製剤を大量投与するなどして、茂が植物状態に陥ったのだ。夫の目を盗んで性風俗で働いていたことや、1000万円で整形した等との噂も影響して、センセーショナルな報道が相次いだ。そんな中、事件記者として取材を進めていた、田村建雄氏は、獄中の詩織から300ページに及ぶ手記を託される。取材の様子を『中国人「毒婦」の告白』から抜粋して紹介する。(全2回中の1回目。後編を読む)

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結婚斡旋でトラブルを起こさないためのコツ

 さらに、佐藤(※山形県で日中の国際結婚の仲介をする男性)は、いくつかの具体的なポイントを、こう明かした。

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「結婚斡旋は必ず何組か一緒に行う。そうすると中国女性は何人か一緒に来日することになるので、お互い困ったときは相談し合えるし、さらに困ったときは先輩妻たちにも相談できる。最初に来た組の人たちは大変だったと思いますが、よく頑張ってくれました」

 また佐藤は結婚後もこんな気配りをしていた。

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「たとえば来日したばかりの女性は日本の畳になかなか慣れません。だから長時間座っているような法事などがあるととても可哀相です。そうした時、姑さんなどに“足は伸ばしたままでいいよと言ってやってください。それだけでも中国人妻は喜びますよ。お姑さんを好きになりますよ”とさりげなくアドバイスするんです。当初、妻たちはとても孤独なものです。だから一寸した心遣いが何よりも嬉しいのですよ」

 また佐藤は中国の実家への「送金」を禁じていた。

「毎月毎月、中国の家に3万円でも5万円でも定期的に送ることになれば、妻は日本の家計をおろそかにすることになり、家庭を守り育てていくんだという気持ちが薄くなります。夫婦で家庭を築くという気持ちにさせるには、送金という二重家庭的なものは止めさせる必要があるのです」