もちろん個人的に売春を忌避する女性もいるが、彼女たちにしても、貧しい実家の“口減らし”をするには、大都会に出て、働く以外に道がない。しかし、大都会に出るには、飛行機代、列車代も馬鹿にならない。従って売春したくてもしたくなくても、稼げる場所に到達できないというジレンマが常に付きまとっているというのだ。
売春に代わる解決策が国際結婚だった
そんな取り残された女性たちに、経済のグローバル化と共に浸透していったのが、外国人男性との国際結婚なのだ。これなら、売春などという罪悪感を背負うことなく、アリ地獄のような農村部から這い出すことが出来る。
「しかも、結納金が貰え、交通費は男性持ち。仮に日本へ嫁げば、中国の大都市などよりは、はるかに多くの金が稼げ、いくらでも親元に仕送りが出来る。業者にそう聞かされれば、少しぐらい、相手の男性との年齢が離れていても、彼女たちが国際結婚に踏み切る確率は高いわけです」(前出・元斡旋業者)
仮に、そのまま生まれ故郷に留まっても、結婚相手は、貧しい出稼ぎ農村青年しかいない。そうした青年と結婚しても、末は、子どもを親元に預け、大都会の北京や上海で、夫と共にドヤ街に住んで、安い賃金で汗と泥にまみれて働く農民工の道しかない。
結婚を3年我慢すれば永住権、5年過ぎれば日本国籍
しかし、相手が日本人であるならば好みのタイプでなく中年であっても、結婚して3年我慢すれば、永住権が得られるし、5年過ぎれば帰化して日本国籍が得られる。そうなれば世界中どこでも自由に行けるパスポートが得られる。現実と幻想をごちゃ交ぜにした彼女たちは、少しぐらい騙されても不承不承納得するのだそうだ。
もっとも、そんな斡旋業者を逆に手玉に取る女性もいるというのだから驚く。