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2000万円で子供たちの教育費、交際費をやりくり… “節約”を意識する秋篠宮家と小室家の“金銭感覚”

『天皇家の家計簿』より #1

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 返還の決定で、この問題には一応幕が引かれたが、しかし、今後の対策となると、即効薬は示されていない。突き詰めると、より構造的な問題にもぶつかる。

 宮内庁が私的な家計のお世話もする天皇家などの場合と違って、宮家皇族の家計は相当部分、宮家の裁量に任されている。各宮家に宮内庁職員がいるものの、皇族方のプライバシーもあり、「家計について細かく口出しするのは難しい」(同庁幹部)という。ただ、国から皇族費を支給されている以上、今後の課題として、家計面などで役所が適切な補佐をしながらプライバシーとの折り合いを探る努力が必要だろう。

高松宮喜久子さま 宮内庁提供

 皇族費が十分かどうかの議論もある。「皇族としての品位保持」のため、宮家皇族には1人あたり年間2710万円が国から支払われる。喜久子さま1人の高松宮家は同額を、寛仁親王家の場合は家族分も含めて約4400万円を受け取っている。

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 この額については、皇室に“清貧”を求めれば「多過ぎる」という意見になり、その逆の意見もある。実情は、皇族費の多くは私的使用人の給与で消える。皇族方の現実の活動を考えると「私的使用人なしでのやりくりは難しい」(同)といい、宮家財政の問題は単純な解決法が見えてこない。〉(読売新聞1995年9月29日)

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宮家の経済状況の聖域化

 この問題では、宮家側は「お金にはまったく手をつけていなかった」という説明であったと報道されているが、それでも年間1000万円の現金となれば、皇族費の何割かにあたる巨額の金銭であり、それが生活費の一部になっていたとしてもおかしくはない。

 宮家の経済状況がブラックボックス化、聖域化することによって、ある種のモラルハザードが進むのではないかという懸念はこのときからあったわけだが、その後本格的な議論はなされず、情報公開も進んではいない。