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2000万円で子供たちの教育費、交際費をやりくり… “節約”を意識する秋篠宮家と小室家の“金銭感覚”

『天皇家の家計簿』より #1

note

問題となった宮家の「違法謝礼」受け取り

 宮家の、ある意味グレーな経理状況が問題視されたこともある。1995年に判明した「宮杯競輪・競艇謝礼問題」だ。

 皇室経済法は、宮家の成年皇族が年に160万円以上の財産を譲渡する、あるいは贈与される場合、国会での議決を受ける必要があると定めている。

 だが、高松宮喜久子さま、三笠宮寛仁さまの2つの宮家が、競輪や競艇を主催する自治体から長期にわたり、総額1億4000万円以上の現金を受領していたことが判明したのである。金額は年間160万円以上だった。

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 競輪や競艇には「宮杯」と呼ばれる、宮家の冠を銘打った大きなレースがある。その「宮杯」開催の謝礼として、長年にわたり宮家に公営ギャンブルマネーが流入していて、それを誰もチェックできないでいた。

 結局、この問題は宮家が受け取ったすべての金銭を返還することで処理されたが、皇族費の在り方について問題を指摘する声が上がった。

 たとえば当時の読売新聞は、次のような解説記事を掲載している。

〈「事実とは信じられない」。高松宮家が競輪の宮杯で年間1000万円の「謝礼」を受け取っていた問題が最初に報じられた時、複数の宮内庁幹部の印象はこの言葉に尽きたという。

 この問題を宮内庁が極めて深刻に受け止めたのは、憲法で定めた国会議決を経ずに皇族に金が流れていたという事実、そしてその金額の大きさが「皇室に対する国民の信頼を揺るがしかねない」(同庁幹部)と憂慮したためだ。

 なぜ、こんな事態に陥ったのか。ひとつには贈った側の認識不足がある。自治体などは当初、「皇族に失礼に当たらない額のお礼をしただけ」と悪びれずにコメントした。そして、皇族に対する年間160万円を超える贈与には国会の議決が必要なことを定めた憲法や皇室経済法の規定を知って初めて、「宮家に迷惑をかけた」と戸惑いを見せた。

 一方、宮家側は法律を知らないはずはない。「謝礼」の受領に慣れてしまい、感覚がマヒしていたのだろうか。年間1000万円という「謝礼」は、日本的な贈り物社会の習慣とゆがみが、皇族という特別の地位に影響されて増幅した結果と言える。