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「処理水問題の風説を放置したことの反省はある」 原発事故収束担当大臣だった細野豪志氏が語る“責任”

細野豪志氏、竜田一人氏対談#2

genre : 社会, 読書, 働き方

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本当に風評被害が起きるのか

竜田 処理水をため込んでいる理由として「風評被害が起きるから」と言うけど、本当に風評被害が起きるかどうかを検証して欲しいです。今だって、出回っている福島の魚を買っている人は、もうそれが好きで買っている、あるいは何も気にしないで買っている。そういう人が、じゃあ処理水放出されたからといって買わなくなるかといったら、絶対そんなことはない。必ず買いますよ、いま買っている人は。

細野 漁業関係者を除くと、処理水を出すなと言っている人の中で福島の魚を食べている人はおそらく少ないでしょう。

竜田 福島以外の人で強硬に反対している人は、デマ屋と同じ層で消費者ではないので、そこを気にしてもしょうがないです。もともと買ってないんだから。今の流通構造的に風評被害がそんなに広がるかといったら、それほど広がる恐れはないんですよ。思い出してほしいのは、震災瓦礫の広域処理。

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※写真はイメージ ©️iStock.com

細野 私が環境大臣として担当していました。

竜田 あのとき、ものすごい反対でしたよね。

細野 大変でした。

竜田 「放射能が危険だから」って、事実とは違う思い込みで反対しているわけの分からない人たちがいっぱいいましたが、「風評被害を受けるから反対する」って言う人もいたんですよね。じゃあ実際、そのことで風評被害はありましたかって話ですよ。

細野 いや、なかったと思いますよ。

竜田 でしょ。

細野 東京でも受け入れましたし、私の地元の静岡でも受け入れています。

©️文藝春秋

竜田 「静岡のお茶に風評被害が出るからやめてくれ」って言っていた人がいましたけど、実際にがれきの処理をやって、お茶の売り上げが落ちたかといったら──。

細野 直接的には関係なかったと思いますね。(第3回に続く)

 

「処理水問題の風説を放置したことの反省はある」 原発事故収束担当大臣だった細野豪志氏が語る“責任”

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