ただ、『充電させてもらえませんか?』では、冬場のロケは寒いなかバイクで走り続けるなど、体を張った芸風は変わらない。それにもかかわらず、世間の見方が一変したことに、本人は《人生って、本当に面白いなと思いましたね。昔と今でこれだけイメージが変わった芸能人って、たぶん僕と有吉[弘行]くらいじゃないですか?》と語ってみせた(※1)。
ウンナンの2人が司会をする上で重視しているのは?
そんな出川はウッチャンナンチャンの2人について、内村がもっぱら情熱をコントに注ぐのに対し、南原はお笑いにかぎらず、すべてのことに一生懸命のめり込む、と評したことがある(※3)。
たしかに南原は、『ウリナリ』で始めた社交ダンスや狂言などを番組終了後も続け、特番のほか「現代狂言」の公演などといった形で展開している。内村はスタジオコントをもう1回やりたいと、『笑う犬』シリーズ(フジテレビ)を始めた。この流れは、NHKの『LIFE!』へと引き継がれている。金も手間もかかるコント番組が地上波からほぼ消えたなか、唯一それを続ける内村のコントへの愛は、長年一緒に組むスタッフをして「ちょっと常軌を逸している」とまで言わしめる(※6)。
ウッチャンナンチャンの2人は、それぞれ司会者としても多くのレギュラー番組を持つ。南原が司会を務める平日昼の情報番組『ヒルナンデス!』(日本テレビ)は、この3月で10周年を迎える。
南原は同番組の開始時のインタビューで、司会や舞台演出での心構えについて、《任せることも大事ですね。「ここは任せた、まずは一回やってみなさい」と相手に預ける。そうすると、相手も必死で考えます。みんなで同じイメージを共有できているかどうか、同じ絵を描けているかどうか確認する。大事な部分を共有したら、アドリブなど、それ以外のところは任せる。その代わり、もし成功すればその人の手柄》と話していた(※7)。
内村は内村で、《バラエティーの現場は、場の空気を読む人の集合体。タレントは繊細だから、ちょっとした空気の変わり目を察知するのが早いんですよ。バラエティーの司会をするときは、とにかくピリついた場にしないことを心がけています。和んだ空気でないと、笑いも生まれないし。収録中に気になることがあっても、その場では言わない。終わってからまとめて演出の方に伝えるようにしています》と語っている(※8)。