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オンライン授業に対する東大生の感想

 ▽ギリギリまで寝ていられる

 ▽学校までの移動が不要なので、キャンパスをまたがって授業が取りやすい

 ▽板書が見えない、教授の声が聞こえないということがない

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 ▽自分にとってベストな環境で受けられる

 ▽周囲に無駄なものがないので、対面よりも授業に没入できる

 ▽ちょっとしたことでも質問しやすい

 ▽スライドがPDFで配布される

 東大生に限らず、オンライン授業を受けている学生であれば、どれも納得できる意見に違いない。少し補足しておくと、最後の「スライド配布」というのは、授業ではパワーポイントなどで作られた資料を使用するが、それが事前にLMS(編集部注:学習管理システム)などを通じて配布されることを指す。予習をするのに役立つし、授業に出席できなかった時も、クラスメートに頼んで資料をコピーさせてもらう、といったことが不要になる。

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 また、質問のしやすさ、しにくさがオンライン授業の評価に影響しがちなことは、東大でも同じ状況のようだ。武居さん自身、記事の中で「先生がチャット欄などでの質問を積極的に促している授業では、対面の時の3、4倍くらいは先生に対する質問が出ているような気がします」と述べている。リアルの教室で周りの目を気にしながら挙手するよりも、チャット機能などを使ってわからない箇所を聞く方が、心理的ハードルは数段下がるとみられる。

不満を持っている学生も

 一方、少数派ではあるが、不満を持っている学生も1割いる。調査ではそう考える理由や、改善してほしい点を聞いている。どんな声が寄せられたのかを見てみよう。

オンライン授業で大学が変わる コロナ禍で生まれた「教育」インフレーション』(大空出版)

 ▽一方的な音声のみの講義は、スライドがあるといえども、ラジオのようで苦痛

 ▽講義ノートを見せて、ただ説明を述べるだけというスタイルはやめるべきだ

 ▽全受講生の顔出し強制。いくら「顔を出して皆さんと議論しましょう」というお達しが出ても、発表者でもないのに顔を出したくない

 ▽授業後にほかの受講者と話しながら帰ることで友達ができたり、勉強になったりすることが多かったので、それがなくなったのは残念。ほかの受講者と仲よくなるハードルは非常に上がった

 ▽友達と休み時間にしゃべったり、聞き逃したところをさっと聞いたりすることができない

 講義スタイルへの不満は、教員がオンライン授業のやり方に慣れる過程で、学生側の希望を取り入れるなどしてブラッシュアップしたり、成功した実践例を共有することで解消していくものと思われる。しかし、後段の「仲よくなれない」「友達としゃべれない」という点は一朝一夕に解決は難しそうだ。

 ただ、リアルなコミュニケーションが取れないという意味では、そもそもコロナ危機によりキャンパスや大学施設への立ち入り、使用が制限されている現状が前提として存在する。オンライン授業、イコール「友達ができない」ということでは必ずしもない。この視点はポストコロナ時代を展望する中で、大学教育のニュースタンダードにオンライン授業をどう組み込んでいくのかを考える時に押さえておくべきだろう。