「ファイナルファンタジーとは?」作り手たちの“たったひとつの答え”からみる情熱と崖っぷちからの逆転
「FFとは何でしょうか」へのたったひとつの答え
近年のFFシリーズも挑戦的な作品が多く、時には問題を抱えながらも解決し、最終的に成功させ続けています。
オンラインゲームの「FF14」は、当初は社長自らが失敗を認めたものの、そこから2年以上かけて巻き返し、「FF11」以上の同時接続者数を獲得するゲームとして生まれ変わり評価は一変しました。
そして仮想の神話世界を打ち出したFF13シリーズですが、当初「FFヴェルサス13」と呼ばれた作品は、10年以上かかり、対応ゲーム機もPS3からPS4に変わりました。それでも最後は、オープンワールドのRPG「FF15」になり世界で950万本以上を売りました。
そして昨春に発売された「FF7リメイク」。1作では完結しない「分作」で、さらに普通のソフト以上の価格設定にしたこともあり、発売前には批判も集まりましたが、フタを開けてみれば500万本以上を売ることになりました。
FFシリーズは、作品ごとにプロデューサーが変わり、ゲームシステムも世界観もまちまちです。クリスタルや魔法名、シドなどのキャラクターなど共通の“お約束”はありますが、決まりごとが緩いのです。
FFシリーズのプロデューサーに取材する機会があると「FFとは何でしょうか」と質問してきました。すると皆さんは、一瞬ためらいつつも、口をそろえて「(前述の)“お約束”を踏まえつつ、最新の技術を用いて、自身が作りたいものを全力で作る」とかみしめるように答えています。同時に責任者は坂口さんの元へあいさつに行くそうで、坂口さんの答えも「頑張って」と後押しをするだけで、束縛をしないそうです。
“生みの親”の若い世代への信頼と、それに応えて全力を尽くす実力のあるクリエーターの情熱。必要とあれば時間とお金を投じて挑戦を続け、目の肥えたファンをうならせる高品質の作品を作り出してきました。だからこそ多くのゲームファンの胸に感動を刻み続けているように思えるのです。