ステイホームが呼びかけられた「巣ごもり生活」の中で、例年以上にゲームに触れる機会の多い1年だった2020年。毎年「ゲーム・オブ・ザ・イヤー」を開催している雑誌『CONTINUE』編集長の林和弘氏に、そんな2020年の「ゲーム・オブ・ザ・イヤー BEST&超クソゲー」について聞いた。(全2回の1回目/#2に続く)
◆◆◆
「ゲーム・オブ・ザ・イヤー」とは何か?
――『CONTINUE』さんは毎年「ゲーム・オブ・ザ・イヤー」という企画をやってますけど、ランキングはどうやって決定されてるんですか?
林 もともと『CONTINUE』は『超クソゲー』っていう単行本から派生した雑誌なんですよ。『超クソゲー』はその名の通り、ゲームメーカーへの忖度もなくクソゲーを面白おかしく紹介した本だったので、そこからゲーム雑誌を創刊するにあたって、同じように毎年、その年に一番面白かったゲームと……まあ、言っちゃうとクソだったゲーム(笑)を勝手に決めちゃおうと思ったんですね。それが「ゲーム・オブ・ザ・イヤー」の始まりです。
毎年、編集部とレギュラー執筆陣が集まって夜通しでランキング決定座談会をやるんですけど、昨今の状況もあって、2020年は初めてZoomでのリモート開催となりました。第1回目は2000年で、その年はコーエー(現・コーエーテクモゲームス)から発売された『真・三國無双』がベストゲームの第1位になってますね。
――「勝手に決める」っておっしゃってますけど、ゲームメーカーからの反応とかあるんですか?
林 いくつかはあって、たとえば2004年にベストゲームの第1位に選んだ『メタルウルフカオス』はフロム・ソフトウェアの方に喜んでいただいて、当時の公式サイトにコメントを寄せたことがありましたね。
あとは2002年、当時は海外版のプレステ2でしかプレイできなかった『Grand Theft Auto:Vice City』をベストゲームの第1位にしたんですけど、その記事を、たまたま来日したロックスター・ゲームスのメンバーが目にして「日本のゲーム雑誌で第1位になってるぞ!」「俺たちのゲームは日本人にも受け入れられる!」という確信を持った、という話をロックスターの方から直接聞いたことがありますね。