「東京・高輪にある仙洞仮御所。昨年末の早朝、ここから軽装のお2人が姿を見せ、周囲をゆっくりと散策して回るのを拝見しました。道ばたの草花を見つけて足をとめたり、通りがかった人たちと言葉を交わしたり。以前と変わらない、仲睦まじい光景でした」(近隣の住人)
2人とは、上皇さまと美智子さま。2020年3月末、代替わりを前に皇居を去り、昭和天皇の弟、故・高松宮さまが住まいとした高輪皇族邸に引っ越した。
一線を退いたことで「身辺が静かに」変化
広大な敷地をもつ皇居と違って、閑静な住宅街にある仮御所内では、日課とする散歩もままならない。そこで、時折、仮御所から外に出て散歩をしているが、平成時代と違うのは、それを追いかけるマスコミ各社の姿がみられないことだ。
「皇居をお住まいとしていた時は、上皇ご夫妻は年に数回、朝の散策コースを変え、皇居の外にお出になることがありました。宮内庁の担当記者は『お忍びの散策』を逃すまいとスクープ合戦を繰り広げていたのです。
美智子さまも心得ていらっしゃるようで、記者やカメラの近くに来ると、上皇さまに話しかけたり、景色を指さしたりとポーズをとるなど、サービス精神旺盛に応じてくださいました」(宮内庁担当記者)
それが今は、お2人の周りにいるのは、ごく少数の側近らと警備担当だけ。お出かけの情報を限定した関係者だけに流すようにしたためでもあるが、ニュースバリューの問題もあるのだろう。
そもそも、上皇さまは2016年、「象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば」で、「全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないか」と明かし、代替わりが行われた。
「一線を退くことを自ら望んだわけで、世間の注目が現役の天皇、皇后に向けられることは喜ばしいと考えていらっしゃるそうです。美智子さまも上皇さまの思いに賛同しておられるでしょう」(上皇侍従職関係者)