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天皇陛下はオンライン交流に手応え

 また、天皇陛下も、お誕生日に際しての会見では「皇室の在り方や活動の基本は、国民の幸せを常に願って、国民と苦楽を共にすること」と述べたが、ご即位から3年目を迎えたご活動は従前のようにはいかない。その理由の1つは、やはりコロナウイルスの影響だ。

61歳のお誕生日を迎えられた天皇陛下 宮内庁提供

 ベテラン宮内庁担当記者が話す。

「一般参賀や園遊会、乾通りの一般公開と、どれも国民と皇室が近づく貴重な機会です。しかし天皇陛下は、宮内庁幹部らが開催の可否を聞きに来るたび、慎重な姿勢を示し続けたそうです。自分が動けば密を生み、感染者を出してしまう恐れがあるとお考えなのでしょう。今年1月の歌会始の儀も、宮内庁はコロナ対策を入念に検討し、開催できると踏んでいましたが、天皇陛下の意向を踏まえて延期となったそうです。

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 一方で、東日本大震災から10年の節目にあたることや、コロナに苦しむ人たちを気にかけ、直接は対面できないかわりに、オンラインでの交流に意欲を示しておられます。

 側近の中には、皇室の活動は直接会い、触れあうべきだという“保守派”も少なくありません。しかし、陛下自身は柔軟に、オンラインで画面を通してでも意味がある、と手応えを感じていらっしゃるそうです」

 今後しばらく、外国訪問も定例の地方訪問も難しいだろうという想定は、宮内庁幹部と側近が一致するところだ。お誕生日に際しての会見でも「実際にオンラインをやってみたところ、人と人とのつながりというものを肌で感じることができ」たとおっしゃっており、今後もリモートを活用した取り組みが拡充されそうだ。