プライベートを楽しめるようになったところに、新型コロナ
だが、静かな仮御所での生活を始めたころから、新型コロナが徐々に広がっていった。そして、お2人への感染リスクを最大限減らすことが側近らの至上命題となった。公務がなくなり、ようやくプライベートを楽しめるようになったのに、友人を招くことも、自由に外出することもできない。
「とくに美智子さまは生活に張り合いがなくなり、電話でも気弱な言葉をおっしゃることが多くなりました」と、長く親交のある友人は心配そうに話した。敷地近くに立つマンションの住人から手を振られ、両陛下が笑顔で手を振り返されたという、少々寂しいエピソードも報道された。
仮御所での生活は約1年半とされ、今後、東京・元赤坂の赤坂御用地に転居する計画が進んでいる。昭和時代に長く暮らした思い出の地。気にかけている秋篠宮家の眞子さま、佳子さま、そして悠仁さまと孫たちとも近くなる。コロナ禍ではあるが、これ以上仮御所での生活が長引かないよう、宮内庁側は引っ越し準備を懸命に進めているようだ。
コロナで外出を伴う公務がない皇后雅子さま
コロナ禍で影響を受けているのは、皇后雅子さまも同じだ。23日に61歳の誕生日を迎えられた天皇陛下の誕生日に際してのご近影では、淡いライラック色のカーディガンをお召しになり、皇太子ご夫妻時代から出席されている、GEA(地球環境行動会議)のパンフレットをお2人でご覧になっていた。しかし、お誕生日に先立っての記者会見で陛下は、雅子さまのご体調について「新型コロナウイルス感染症の感染拡大による活動への制約などから、体調を整えにくくなっている面はあります」と触れられた。
代替わり後、行く先々で多くの人々が雅子さまを出迎え、「皇后さまー!」と大きな歓声がとんだ。当時、雅子さまを担当する医療関係者は「自分の存在が必要とされている、という安堵感が何より体調回復につながる」と明かしていた。侍従職関係者も「雅子さまは笑顔を見せる場面が増え、マイナスに捉えがちだった考え方も克服しつつあるように拝察しました」と振り返る。
ところが、外出を伴う公務がなくなってしまった。