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紀宮さまと愛子さまの共通点は多い

 紀宮さまと愛子さまの共通点は多い。同じ学習院大学文学部国文学科(現・日本語日本文学科)で学ばれ、紀宮さまは和歌の研究をなさった。実は愛子さまは学習院女子高等科の卒業レポートを「平安文学に見る猫や犬、人との関わり」という題で書かれ、赤坂御所で飼われている犬の「由莉」、猫の「みー」と「セブン」のお世話をされてきた。

愛子さまと「由莉」(2015年、14歳のお誕生日に際してのご近影) 宮内庁提供

 紀宮さまは初等科の頃から大切に育てられてきた紀州犬の「千代」が、ご旅行中に預けていた訓練所から姿を消した時、「賢い犬だからきっと戻って来るでしょう」と話されていたという(「毎日新聞」1992年12月19日)。お二人とも盲導犬の訓練にも関心をお持ちになっていた。

「継続的な責任ある立場に就いたりすることは控えてきた」

 1990年4月、紀宮さまはご成年にあたっての初めての記者会見で、「女性にとって、仕事がしやすいという環境が作られることによって初めて、女性の社会進出の意義というものも生きてくるのではないかと思います」と、早くも女性の社会進出についてのお考えを述べられている。

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2003年11月、ホンジュラスを訪問された紀宮さま(当時) ©EPA=時事

「サーヤ」の愛称で国民から親しまれた紀宮さまは、内親王として初めて本格的に公務に臨み、海外を公式訪問された。ご結婚前には山階鳥類研究所でも勤務されている。

 内親王という立場について、「将来的にその立場を離れる可能性がどうしても念頭にあるため、中途半端に投げ出してしまうことのないように、継続的な責任ある立場に就いたりすることは控えてきたということはあるかもしれません」と述べられたことがある(2002年、33歳の誕生日に際しての文書回答)。皇族であることと結婚して民間に入られること、その両方の世界を絶えず意識されてきたことがうかがえる言葉だ。30歳という節目を迎えるにあたっての感想としては、このように答えられた。

「三十代の一年ごとが、年を重ねることと、自分にとって良い積み重ねができた充実感が感じられることとが伴うものであるように願っています。抱負としては、これまでと変わらず、一つ一つの仕事を、大切に、喜びを持ちながら務めていきたいと思っています」(1999年4月、30歳の誕生日に際しての文書回答)