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すでに『鬼滅のピカ』も登場…マニアが教える「アジアの怪しすぎる『いんちきおもちゃ』、私はこう探す」

2021/03/07
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 アジアの夜店などに並ぶ、怪しいオモチャ。そのなかに、版権を無視するだけでなく、過剰なサービス精神によって様々なギミックが付け足され、元ネタを超越した異形のマテリアルと化したモノもある……。版権無視を認めてはいけないが、アジアでこのようなおもちゃがまだ存在することも現実だ。

 そんなアジアならではのパワフルなブツを「いんちきおもちゃ」と題し、精力的にコレクションし続けているのが「いんちき番長」氏だ。

 今回は世界でも類を見ない驚愕の「いんちきオモチャ」コレクションを紹介。

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 そして、いんちき番長が、孤高のいんちきコレクターとなった経緯を伺った。(前後編の前編/後編を読む)

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ニセモノだけど、どこにもないオリジナル品

 子供の頃は「トランスフォーマー」が好きで、ひとつ手に入れると「じゃあこれの仲間も」「これのライバルも」と、コレクションしていたんです。

 トランスフォーマーって、日本とアメリカで売ってる商品が違うんですよ。いまでこそインターネットでなんでも買えますけど、ひと昔前は海外版のオモチャは基本的に現地に行って買うしかなかった。

 1991年くらいに香港にトランスフォーマーを買いに行きました。香港は、日本からもすぐ行けるし、アメリカやヨーロッパ版も入って来るので、オモチャを買うにはちょうどいい場所だったんです。

『いんちきおもちゃ大図鑑』1巻表紙

 それでオモチャ屋さんを回ってたんですけど、夜店に行くと見たことのないトランスフォーマーが並んでるんですよ。それがただのコピー品だったら、そこまで興味を引かれないんですけど、その時に見つけたのが既存のモデルにちょっと改造を施したものだったんです。

 ニセモノだけど、どこにもないオリジナル品で、これは面白いなと思って、それから香港に年1回はオモチャを買いにいくようになりました。たとえば戦隊モノのフィギュアで、見たことない色のメンバーが入ってるとか、そういうヘンなもの集めているうちに、自分のコレクションのなかに「香港のオモチャ」というカテゴリーが出来てしまった。

 当時はそんなの集めている人はほとんどいなかったんです。まぁ、今でも少ないですけど。

 それをイベントとかで紹介しているうちに、仲間内から『お前はいんちき担当」という意味で「いんちき番長」と呼ばれだして、自分でも名乗るようになったんです。