ダンボール単位でしか買えない問屋街で、ルート開拓
そのうち、上海から電車で3時間くらい行ったところに義烏っていう中国最大の貿易都市があるんですけど、そこに通うようになりました。
義烏は「100円ショップのふるさと」とも呼ばれている、あらゆる安価な生活用品が山手線の内側くらいの土地にびっしりと積み上がっている広大な問屋街。オモチャもたくさんあるんですけど、ダンボール単位でしか買えないんです。このオモチャ欲しいっていうと「何箱?」て聞かれて、そんなにいらない、というのを何度か繰り返しながら、じゃあどこなら一個ずつ買えるのかというルートも開拓していきました。
そのうち広州とかも行くようになって、中国の広さと奥深さを感じつつ、大陸を巡りながら買い回っている感じですね。
僕は古いタイプのおもちゃ好きなので、ネットで買うというのがいまひとつ合わなくて。
やっぱり現地で、現物をみて「これは!」っていうトキメキに勝るものはないんですよ。
夢も希望も怪しさもぜんぶ詰まったようなオモチャ
それに日本は少子化なので、おもちゃ業界の元気がないじゃないですか。でも、中国に行くと子供がいっぱいいるから、夢も希望も怪しさもぜんぶ詰まったような、僕らが子どもの頃にワクワクしたようなおもちゃ屋が未だにある。そんな店でオモチャを探すのはホントに楽しいです。
とはいえ、各国とも版権意識が高まってるので、いんちき系は淘汰される傾向にはあります。
特に都心部は顕著で、それはやっぱり生活水準が高まってきたからなんですよね。
ただ、地方都市だったり、東南アジアの国だったり、もっと言えば中東とかそういう国々には需要があって流通している。
もちろん正規版権モノも売ってはいるんですよ。例えば、日本でいま500円くらいで売ってるウルトラマンのソフビフィギュアが、その2倍位の値段で売られている。でも、低所得層の子どもは買えない。
そういった子どもたちが需要を支えている側面があるんですよね。
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取材・文=大谷 弦/清談社