トンでもないものがたくさん出てくる『ドラえもん』
「いんちき番長」として、変わったオモチャを集めていたら、雑誌で記事を書かないか? というお話があってライター業もするようになりました。最初はフィギュア専門誌だったので、ロボットや特撮モノのいんちきおもちゃを紹介してたんですけど、だんだん一般誌からもオファーが来るようになって、それだと誰にでもわかる『ドラえもん』や『ドラゴンボール』のオモチャのほうが伝わるな、と思って、それも集めるようになりました。
ただ、ドラえもんとかポピュラーなキャラクターは、グッズの種類も多いので、トンでもないものがたくさん出てくるんです。
「いんちきおもちゃ」をメディアで紹介するようになって、一番気をつけないといけないのが、元ネタに対する知識をしっかり持つということです。
昔、中国のニセモノ問題が話題になった時に、テレビのワイドショーで「中国にはドラえもんなのに耳がついているニセモノがいます!」って報道してたんですけど、その時のドラえもんは映画の『のび太のアニマル惑星』のグッズ。耳がついてるのは正しいんですよ。
そういう間違いは恥ずかしいという思いがあるので、どんな原作で、どことコラボしていて、どんな商品が正規品として出ているか、というのは常に把握しておかないといけない。
キティちゃんなんて、仕事を選ばないというか、公式でも驚くようなコラボやタイアップをしまくっている。現地で「うわ! こんな変なキティちゃんがあった!」と思ってよく調べると、実は日本で普通に売ってるものの並行輸入品だったりするんですよ。
いんちきおもちゃを求めて香港、台湾、韓国、中国へ
いんちきおもちゃを求めて香港に通って、しばらくして台湾にも行くようになって、その次に韓国。ただ、韓国はオリジナルのアニメ作品が多くて、そのオモチャがたくさんあるので、いんちきというよりも見たこともないキャラクターのオンパレードでしたね。
それも買い尽くして、そろそろ中国に行くか、となったのが98年くらいですね。
まずは上海に行きました。フリープランの安いツアーで、現地にポンと行くわけですよ。それで添乗員の人に「おもちゃ屋行きたい」って聞くんですけど、だいたいデパートとかに連れて行かれて、そこには面白いものは無いんです。
なのでフリーの時間の時に、街を歩きながら「こっちにおもちゃ屋がある気がする」っていう野性の勘で探し回って、イイ店をみつけて、そこで情報を聞いて、問屋筋とかをだんだん見つけていきました。