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「痩せたら他人に寛容になれた」10ヶ月で48キロ減のクイズ作家が語る、ダイエットで起きた“メンタルの変化”

古川洋平さんインタビュー #2

2021/03/08
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食べている瞬間だけは、普段の嫌なことを忘れられる

――当時の食生活って、どんな感じでしょう。

古川 休みの日だと、11時とか12時に目を覚ますんですよ。もう、そこで朝食を抜いちゃっているわけですね。で、「お、なんだか今日は調子いいからいけるな」と思ったら昼にコッテリしたラーメンを麺を400グラムくらいにしてもらって食べる。

 夜になったら「ちょっと、ご飯でも行く?」と友達を誘って、しゃぶしゃぶの食べ放題に行く。ぜんぜん、“ちょっと”じゃないという。満腹になって家に帰って寝るかという時に、「なんか違う味も欲しいな」とペヤングもいっちゃうみたいな。

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©山元茂樹/文藝春秋

 そうすると幸せだったんですよ。お腹が空いているからというよりも、食べている瞬間だけは普段の嫌なことを忘れられるみたいなのがあったので。一番食べていた時の食生活は、そんな感じでしたね。

――ストイックに痩せられたわけですが、ストイックに食べてもいたというか。

古川 僕はクイズのほかに、「人狼ゲーム」と「カラオケの採点でいかに100点を出すか」という趣味があって、それに関するお仕事も頂いたりしていたので、3つとも日本一を目指してやっていました。もう、生活すべてがクイズ、人狼、カラオケを中心に回っていて。

 特にクイズに関しては24時間を捧げたいから、ほかのことには気を配らなくなってしまう。食事や運動を放ったらかしにしてクイズに打ち込む自分を許しちゃうんですね。

「このままだと糖尿病になるよ」と言われて動揺

――健康について、どこかで気にはしていたんですか?

古川 太っている間はどこかしら悪いんだろうなとは思っていたし、検査のたびに肝臓やら血中脂肪やら尿酸やら、引っかかりそうなやつは片っ端から引っ掛かっていて、値を下げるような薬も5種類くらい飲んでましたから気にはなっていました。でも、大きな病気とかもしたこともなかったし、太っていても生きられるなと思っていて。だけど、足が攣りだしたんですよ。

©山元茂樹/文藝春秋

 朝方に足が攣って、そのたびに激痛で目が覚めるので「あれ~? 体がおかしいんだろうな」とは考えるようになりました。糖尿の気が出てくると足を攣りやすくなるんですけど、去年1月の健診で先生に「このままだと糖尿病になるよ」と言われて動揺はしましたね。

 そういうこともあったし、年齢も37になるし、今回のダイエットが健康を取り戻す最後のチャンスなのかなとチラリとは思いました。そのタイミングで、先生に『リングフィット アドベンチャー』を勧められたのはやっぱりラッキーだったなと。