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――ダイエットを始めて、どれくらいで大きな変化を感じました?

古川 5キロとか10キロ痩せても誰も気付いてくれなくて、ひとりで体重計の数字が減っていくのを眺めてニヤニヤしていたんですけど。でも、マイナス20キロになった日に自分の写真をTwitterに上げたら「痩せた!」と騒がれまして、本当に痩せたんだなと実感できました。それが残りのマイナス28キロに向かう励みにもなりましたね。

©山元茂樹/文藝春秋

選べる服が100倍以上あるから楽しい

――モードが完全に変わったといいますか、ファッションも以前とは違いますよね。

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古川 目標だったマイナス48キロを達成した日に、メガネをコンタクトに、髪をオレンジ色に変えました。人にもよるでしょうけど、すごく太っているとファッションを筆頭にあきらめてしまうものが多いんです。それを取り戻したというか、自分が死ぬまで味わうことがないであろうと考えてきた選択肢が急に増えちゃったわけです。

 まずはそのうちのひとつだったオシャレを楽しみたくなって、のめり込んでいる最中です。

 まだまだ初心者なので全然オシャレになっていないですけど、いままでと比べたら選べる服が100倍以上あるから楽しいんですよ。似合っていようが似合っていまいが、好きなものを買えるということがうれしくてしょうがない。

©山元茂樹/文藝春秋

 周りから「眉毛こうしてみたら?」というような提案をもらうことも増えています。今までは太っていることが一番の特徴だったから、僕自身、自分の眉毛になんか注目しなかったわけですよね。痩せたことで、「じゃあ、眉を整えてみるか」とか「肌を保湿してみるか」とか、これまでできたはずなのにしてこなかったことにも挑戦するきっかけになったなと。 

他者に対して寛容になれました

――痩せると、メンタル面においても良い影響が出ますか?

古川 他者に対して寛容になったと思います。これは僕特有かもしれませんが、これまでの人生って一番になることに命を懸けてきたんですよ。学校の試験はもちろん、クイズも人狼もカラオケ採点もすべてが100点じゃないと意味がないみたいな。競争の人生ですね。