「推しには偉くなってほしくない」
ただ実はファンは推しに、社内で“偉く”なってほしいとも限らないのが興味深いところです。事務所からあからさまに冷遇されれば怒りを感じますが、「幹部候補」と言われてもむしろ「タッキーのように表舞台に出なくなってしまったら悲しい」と思う人も少なくはないでしょう。
何かと言及されがちなジャニーズタレントの"偉さ"や序列についてファンがどう思っているのかを聞いてみました。
「今のジャニーズ内部の序列って、東山紀之さん、木村拓哉さんに続いて、あとは大体デビュー順通りじゃないですか? 経営側にまわったタッキー(滝沢秀明さん・ジャニーズ事務所副社長/ジャニーズアイランド社長)は立場的には“上”かもしれませんけど、個人的には、事務所的な“格”がどうであっても、タレントが先輩を立て、後輩を引き立てる姿勢を見せてくれれば気になりません」(ファン歴20年の女性)
「私は松本潤さんのファンですが、大河ドラマ主演が決まったからと言って木村拓哉さんを格的に逆転したとはまったく思いません。木村さんは後輩にとって憧れの存在だし、そもそも2人は比べる対象ではありません。松本さんに大きな仕事が決まったのは嬉しいけれど、“誰かより優位になった”とか、考えもしませんでした」(ファン歴15年の女性)
「V6のファンですが、のし上がって経営に食い込んでほしいとは、私はあまり思いません。会社的な格で言えば、後輩の中にもV6より上の人がいるかもしれませんが、自然な立ち位置で活動を続けてくれることだけが望みです」(ファン歴18年の女性)
「タッキーの最後のディナーショウに参加しましたが、“戦場へ行く夫を見送る妻”のような悲壮な表情のファンの方が多かったのを覚えています。もちろん"出世"なのでしょうし、本人が幸せならば応援しますが、なにかとタッキーが悪者にされることも多いので腹が立ちます」(ファン歴22年の女性)
ファンの声に共通していたのは、「現状の事務所の各タレントへの扱いはおおむね順当で、目立って不当な扱いをされている人はほぼいないのでは」ということでした。
ファンにしてみればジャニーズ内部でどんな格付けがなされ、世間的に序列が話題になろうとも、“私の推しは常に尊い”事実は変わらないのだと思います。