1ページ目から読む
2/4ページ目

大河、映画、司会のヒエラルキー

 そして“誉れ”につながる仕事の中にも、もちろんレベルがあります。

【“誉れ”レベルざっくり目安一覧】

★★★★ 大河主演、紅白司会、24時間テレビメインパーソナリティー、音楽特番司会、ニュースキャスター、年末年始冠特番、日本アカデミー賞受賞、長期座長公演

ADVERTISEMENT

★★★ 紅白出場、地上波冠番組、バラエティ・情報番組司会、一般映画主演、演技等各賞受賞、各種ランキング1位獲得、ギネス記録保持

★★ ドラマ主演、アイドル系映画主演、一般映画出演、各種資格取得、CM主演、モデル・コスメアンバサダー就任

★ ドラマ出演、バラエティ出演、アイドル系映画出演、CM出演

 重要なのは、その活動が“国民的”かどうか。異性はもちろん同性にも好感を持たれ、世間に一目置かれたか。後輩の憧れや目標となり彼らを導いたか。実績と貢献度、愛され度、誉れ度、品行方正さ。そしていかに事務所に貢献したか。 

木村拓哉 Ⓒ文藝春秋

 これらを総合して、ジャニーズ内部での格が決まるのでしょう。

歌のうまさは”格”には影響しないのか

 ここで、「ジャニーズにおいては、実は歌唱力で存在感を示しても“格”にはつながらないのか?」という疑問も考えてみましょう。

 コンサートの現場などでは、グループ内で「歌がうまい枠」として人気になっている人が数多くいることはわかるのですが、コンサートに足を運ぶファン以外にはその魅力は思いのほか届きません。

「CDがミリオンを達成した」、「MVのYouTube再生回数がすごい」などの形で楽曲が評価されるときはグループ単位の栄誉となり、個人の“格”には影響しにくいのかもしれません。そしてジャニーズは原則として音楽賞レースに参加しないので、事務所に“わかりやすい誉れ”をもたらすタイミングが少なくなりがちとも言えます。

 この「歌と踊りよりも、演技やバラエティでの実力で評価される比率が大きくなってきた風潮」について、とあるジャニーズファン歴25年の女性は「大歓迎です!」と話してくれました。

「たしかに、テレビの歌番組が多くあってジャニーズがレコード大賞を獲っていたような時代なら“歌って踊れる”ことがすべてで、その序列は絶対に変わらなかったんだと思います。今は歌だけでなく演技やトークやそれぞれの道で人気になるルートがあるし、SNSや配信など特技をアピールできる場も増えました。歌や踊り以外の個性を活かす方法ができたのは、すごくいいこと。私の推しは“テレビ班”ではなくて“舞台班”なので、以前のままだったらもっと目立たない存在だったと思います」