NHK大河ドラマ「どうする家康」(2023年)の主演決定に引き続き、主演映画「99.9-刑事専門弁護士 THE MOVIE(仮)」の今冬公開が決まった松本潤さん。昨年末で嵐が活動休止に入り、今後についての発表が少なかったことから「しばらく裏方に専念するのでは?」などと話題になっていましたが、松本さんらしく小気味よい“主演コンボ”発表に胸が高鳴ります。
大河主演をきっかけに松本さんについて「ジャニーズ内での立場を盤石にした」「幹部候補」という声も聞かれましたが、嵐はそもそも圧倒的な人気の国民的グループでした。それなのに今更松本さんだけにそのような声があがるのは、ジャニーズで偉くなるには“俳優として成功することが必要”だと感じている人が多いからなのでしょうか。
昨今のジャニーズではアイドルとして“歌って踊る”ことに加え、演技やバラエティなど“歌以外”で人気を博して評価につなげる人が増えてきました。SMAPが切り開いたこの流れは、今も拡大を続けています。
なぜジャニーズでは、歌や踊り以上に“演技やバラエティの評価”が重んじられるようになったのでしょうか?
近年ではモノマネやお笑い、アスリート的なタレントも
そもそも、ジャニーズの中で“偉い”とは一体どういうことなのでしょう?
「小学校でいちばんモテる男子は足が速い子。中高はヤンキー、大学はイケメン」だと言います。これが社会人になると、モテるのは“信頼と実績と社交性のある人”となり、ジャニーズでもそれは同じです。
30歳を超えたような“大人ジャニーズ”ともなれば、ルックスや身体能力だけでなく、その生きざまや個性の磨きっぷり、先輩後輩からの人望の有無もジャニーズファンや事務所からの評価に直結します。
ジャニーズたるものアイドルとしての歌唱力、表現力はデフォルトであってしかるべき。大人ジャニとして長く活躍するためにはその“アイドル力”に加え“経験と共に培ったもの”が武器になります。それは演技力だったり、バラエティを盛り上げる話術だったり、近年ではモノマネやお笑いの芸、専門知識に特化したトーク、あるいはアスリートなみのパフォーマンスを見せる人も増えてきました。
また、「自分目当てのファンをがっちり掴む」だけでなく、「映画で気になった俳優がジャニーズだった」など、自然なランデブーでジャニーズファン以外の相手を魅了することも大切です。そのためには、ライブなどの“アイドルとしての現場”はもちろん、映画やテレビなど“俳優やバラエティでの見せ場”が必要なのです。
そこで、ファン以外の人たちに「おもしろいヤツ」「いい演技をするヤツ」「筋肉がすごいヤツ」と好感を持たれることがファン層を広げ、巡り巡って従来のファンにも「やっぱりそう思うよね」と魅力を再認識させることにもなるのです。
それが、演技やバラエティの世界で評価されることが、ジャニーズ内部での価値、言い換えれば“誉れ”を上げることにつながる理由でしょう。