ドラマや映画の画面にでんでんが登場すると現実感がいや増す。漁協組合長も、弁当屋の社長もリアルだ。
「メイクをしないことがその秘密。汗をかいてもすぐ拭けるし、動きも制約されないから楽でしょ」
そんな工夫があったとは……。目指しているのは『ダーツの旅』(日本テレビ「笑ってコラえて!」のワンコーナー)にでてくるような、通りすがりの普通のおじさんだという。
そんな、でんでんの最新出演映画は『あゝ、荒野』。菅田将暉とヤン・イクチュンがボクシングを始める青年を演じている。設定を2021年に変更しているが、1966年に寺山修司が書いた原作小説の雰囲気が色濃く出ている。
「僕はボクシングの黄金期を知っている世代。60~70年代にかけて、ファイティング原田など強い選手がいっぱいいたからね。僕自身、辻本章次や柴田国明が所属していた池袋の名門ヨネクラジムにも見物に行ってたくらい。僕が好きなトレーナーはエディ・タウンゼントと丹下段平(笑)。彼らをイメージして演技しました」
エディ・タウンゼントは、赤井英和を育て井岡弘樹をチャンピオンへと導いたトレーナー。優しい人柄と面差しで人気だった。また、丹下段平は言わずとしれた『あしたのジョー』の厳しき個性派トレーナー。
恵まれない境遇にいる若きボクサーが、どんな成長を遂げるのか。でんでん演じる名トレーナーが2人を見守る。
映画『あゝ、荒野』
10月7日前篇・10月21日後篇 二部作連続公開
http://kouya-film.jp/