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男を手玉にとり続ける“魔性の婚活詐欺女”

 少女時代から早熟だったという証言も伝えられる。体型は肥満型、決して美人とは言えない風貌だが、逆に「なぜ男は騙されるのか」という疑問を抱かずにはいられない。

 2007年以降、木嶋の周辺で次々と男性が消える。まず2007年、千葉県松戸市の男性(70歳)が自宅の風呂場で急死。男性は7000万円以上を木嶋に貢いでいた。さらに青梅市の会社員(53歳)、千葉県野田市の男性(80歳)、千代田区の男性(41歳)が一酸化中毒死した。3人には生前、木嶋に送金するか、死の直後に木嶋によって現金が引き出されるという共通点があった。

 41歳男性の死に不審な点があったことから捜査が始まり、木嶋は2009年9月5日に逮捕された。その後、多数の詐欺容疑や3人に対する殺人容疑で再逮捕された木嶋は起訴され、マスコミは「魔性の婚活詐欺女」「疑惑の毒婦」と大きく書きたてた。

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獄中で小説を書き出版

 裁判で明らかにされたのは、木嶋のウソで塗り固められたセレブなプロフィ―ルだった。「父は東大教授」「職業はピアノ講師」あるいは「フードコーディネーター」などと語り、多数の男たちを同時に騙しながら、本人は西池袋の高級マンションに住み、高級外車を乗り回していたという。

©iStock.com

 2012年4月13日、1審で死刑判決。裁判員裁判として女性の被告に対する初の死刑判決となった。木嶋は控訴、上告したがちょうど5年後の2017年4月4日、木嶋の死刑が確定した。

 公判中から、木嶋はまったく悪びれることなくブログを開始。拘置所の中で書いた直筆原稿の画像をアップしたが、その字は練炭で男を殺し続けた女とは思えぬ達筆で、一切の謝罪、反省を拒否し死刑を受け入れた女の「凄み」を感じさせるには十分だった。さらには小説まで出版している。

 木嶋は死刑確定前に週刊誌に長文の手記を寄せ、実の父が母に心を蝕まれた結果、還暦で自死したと説明。母を批判しつつ、死を受け入れる決意を次のように表明している。

「生みの母が私の生命を否定している以上、確定後に私は法相に対し、早期執行の請願をします。これこそ『ある決意』に他なりません。通常、全面否認事件での女子の執行は優先順位が極めて低いものですが、本人からの請願は何よりも強い、“キラーカード”になる。まったくもって自殺願望ではなく、生きてゆく自信がない、それだけです」

 堂々と死ぬ――これが稀代の悪女のプライドなのだろうか。

木嶋佳苗の言葉

「(再審請求者の)多くは、再審請求中は執行を回避できると信じて形だけの請求を続けている人だと断じてもよいでしょう」

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死刑囚200人 最後の言葉

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