「せっかく集めたコレクションがゴミとして処分される前に、せめて世の中にちゃんと紹介したいと思ったんです」
芸能人の煙草の吸い殻や使用済みストローなど、様々な“珍品”を収集していることで知られている漫画家でエッセイストのやくみつる氏(61)。やく氏が40年以上かけてこつこつと集めてきた約1万点にも及ぶ“秘宝”の中から、有名人にまつわる、とっておきの逸品「21点」をその収集時のエピソードとともに一挙公開する。
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◆松井秀喜の車のリアガラスで作った指輪
「松井秀喜さんが現役の頃、横浜スタジアムの駐車場に愛車のシボレーをバックで入れる時に自損事故を起こしたことがあったんです。その時に球場の壁にぶつけて割れた車のリアガラスの破片を私の“手のもの”が入手してくれましてね。その破片をひとつ指輪に仕立て上げてみました。松井さんとは、これまで何度か番組でご一緒する機会がありましたが、彼にとって自損事故を起こしたことは黒歴史かなと思って、まだ本人には指輪の存在は明かしていません」(やくみつる氏、以下同)
◆野茂英雄のサイン入りフォーク
「フォークボールを武器にしているプロ野球の投手に、飲食用のフォークにサインしてもらっています。その第1号は野茂英雄さんでした。1990年、彼が新人ながら投手4冠を達成しブレイクした年のとあるパーティーで彼に会えることになった。ボールや色紙にサインしてもらうのも面白くないなと思い、おもむろにフォークを差し出すことにしました。野茂さんは快くサインしてくれましたけど、フォークの『ォ』の字を書き間違えてしまった。普段の生活で『野茂のフォーク』なんて書く機会はないでしょうから、思わずやってしまったんだと思います。でも、そこがまた味があっていいんですよ」