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原因は新型コロナにあらず…街で美容師に声をかけられる「モデハン」激減の理由

2021/03/21
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まだキャリアが短い美容師がよくやるのは…

3.営業のキャッチ

「お店が近くなんですけど、値引きするので今からカットしませんか?」と営業をかける、いわゆるキャッチです。ブランドイメージに影響するため、お店によってやるかやらないかは、はっきりと分かれます。

 キャッチと聞くとあまり印象が良くないかもしれませんが、表参道や繁華街などには美容室が多数あり、その中から自分の美容室を選んでもらうのは至難の業です。ネットで集客しても、人気店に顧客は集中するため、お客様がなかなか来てくれません。ですので、ただお店で待っているのでなく、能動的に街で歩いている人に声を掛けて、顧客を取りに行くのです。

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©iStock.com

「今から髪を切る気になってもらう」のはハードルが高いので、キャッチは値引きを売り文句にしています。自分の顧客を増やしていけばお客様から予約が入り、キャッチをやる必要は減っていくので、ジュニアスタイリスト(スタイリストになって間もないスタイリストのこと)がやることが多いです。

声を掛けられる人はこんな人

「練習台」の場合、美容師は自分の練習課題にあった髪の人を探すため、髪の長さや髪質を見て声を掛けることが多いです。

「キャッチ」の場合は、根元だけ髪が染まっていない「プリン」になっていたり、髪が伸び伸びだったり、ボサボサだったりする方がターゲットです。「ちょうど、美容室に予約しようかと考えていた」方に声を掛けると成功確率が高いためです。

 ちなみに美容師あるあるですが、自分も美容師なのに美容師にキャッチで声を掛けられると、ちょっと恥ずかしいです。