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機械審査が通ってもお金が借りられない!? 融資会社が見ている“信用情報”以外のポイントとは

『督促OL 奮闘日記』より #5

2021/03/28

source : 文春文庫

genre : エンタメ, 読書, 社会, 働き方

note

利息の恐ろしさ

 お金を借りる理由は人それぞれ、まさに十人十色の理由があります。でも、借金をするからにはそのしくみを十分に知ってほしい、そして上手に使ってほしいと思うのです。

「な、なんでこんなに利息取られてるのー⁉」

 あるとき、私が学生のころに通っていたエステの契約書を見てびっくり。

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 実は私は学生時代に勧誘に引っかかり、50万円のエステの分割払いを組んでしまったことがあるのです。

「50万円だけど分割払いにすれば、月々たった1万8000円で済むから!」なんて言葉に引っかかり、うっかり申し込んでしまったのですが、契約のときに、分割払いに手数料がいくらかかるかの説明なんてまったくなかったはず(常識だと言われてしまえばそれまでなのですが……)。

 全ての支払いを終えた今、改めて契約書を見返してみると、50万円の契約に年15%もの分割手数料がついていて、結局私が支払った金額は総額で61万5902円だったのです。つまり11万5902円が利息なので、50万円のエステのために60万以上の金額を支払った、ということになります。

 アルバイトでコツコツと小金をためている学生にとっては、この差額は大きい。知らなければ損をするのだ、と、世間の荒波に軽くもまれた気がしました。

 督促をしていると、お客さまに利息と元本の内訳を聞かれることが多いのですが、意外と計算方法を知らないままキャッシングを利用しているお客さまが多いのです。恥ずかしながら、私も社会人になってカード会社に入社するまで、利息の計算方法を知りませんでした。

©iStock.com

 入社した当初、先輩に、

「50万円借りて18%の利息、毎月の支払い金額は2万円だったら、ひと月の利息はいくら?」

 と聞かれて、

「えっと~、2万円で18%だから2万円に18%をかけて……3600円くらいですか?」

 と答えて「馬鹿! 支払い金額に利率かけるな!」と大目玉をくらったことがあります。

早分かり! 利息計算法

 現在の貸金業法では、10万円未満の借り入れの場合は20%、10万円以上100万円未満は18%、100万円以上の借り入れは15%と利息の上限が決められています。

 この18%や15%は「年利」といって1年間借りていた場合につく利息のことで、ひと月に一回返済日が来る支払いの場合は、それを借りていた日数分で割るのです。