最近、ユーラシア(旧ソ連)地域の食の流行が目立っている。そのきっかけを生み出したのは、2020年1月に牛丼チェーン松屋に登場した「シュクメルリ鍋」だ。本場ジョージアでも、鶏肉とニンニクがたっぷり入った煮込み料理としてよく知られている。2020年10月には、ファミリーマートの「ごはんにちょいかけ!」シリーズにシュクメルリが登場。日清も「シュクメルリ鍋風ヌードル」を発売するなど、シュクメルリは一気に日本の食品市場に浸透した。
ミニストップは「キエフ風カツレツ」で参戦
日本におけるジョージア料理のブームについて、駐日ジョージア臨時代理大使のレジャバ氏は「日本で売れているジョージア料理について、本場の味と比較すれば邪道だと言う人もいるでしょう。しかし、私はあえてこれを『進化』と呼びたいと思います。一過性のブームで終わらせず、文化として定着させるためには、ジョージア人の価値観だけでなく、日本人の価値観を考慮しなければなりません」と語る。
ユーラシア料理の快進撃は止まらない。2020年12月にはミニストップが、「チキンキエフ」という名で、ウクライナのキエフ風カツレツを商品化したのだ。
ミニストップ株式会社商品本部の浅野有美氏は「2020年のクリスマスはコロナ禍でイベントが中止となることを予測し、手軽に食べられるチキン料理として生み出されたのがチキンキエフでした。本場のチキンキエフはナイフで切った際にバターソースがとろりと出てくるのが特徴ですが、コンビニ向けに食べやすくするため、ソースの味や粘度を調整し、鶏の骨をつけて持ちやすくしました」と開発の裏側を明かした。
自国メイン料理のコンビニ登場に、駐日大使もびっくり
そのうえで、浅野氏は「コルスンスキー駐日ウクライナ特命全権大使からもSNS発信があり、おかげさまで沢山のお客さまから非常に高い評価を頂きました。販売して良かったです」と語った。
駐日ウクライナ特命全権大使のセルギー・コルスンスキー氏は、コンビニで自国の料理が販売されているのを見つけて度肝を抜かれたという。「ウクライナではメイン料理であるキエフ風カツレツが、コンビニで手軽に買えるファストフードになったのは非常に画期的でした。思わずTwitterでつぶやいてしまいました」と語る。