元SKE48メンバーの梅本まどかさん(28)。現在はタレント、MC、そしてラリーのコ・ドライバー(ドライバーの隣に座ってレースをナビゲーションする人)として活躍しています。

 梅本さんはSKE48加入とともにチームEのリーダーに就任。自分には不向きだと思った経験がコ・ドライバーとして活きていると語ります。アイドルとコ・ドライバーの共通項、参戦予定だった最高峰の世界ラリー選手権(WRC)についても聞きました。

梅本まどかさん ©今井知佑/文藝春秋

ラリー観戦はフェスっぽい?

――ラリーの観戦スポットでは、広大な景色を満喫しながらスピードを感じたり、お茶を飲んでゆったり過ごす場所もあったりと、フェスにも近い感じなのでしょうか。ヨーロッパでは森の中でキャンプしながらラリー観戦をする人もいて、楽しみ方もいろいろありそうですね。

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梅本 スタート時に太鼓を叩きながら1台ずつ車がスタートする大会もあり、地域ごとのイベントや特色も楽しめるのもラリーの魅力ですね。

 アイドル時代もツアーやイベントで各地を回りましたが、移動は常に締め切られた箱の中。バスに乗ってドームについても「ここはどこ?」となり、その土地の食べ物を食べられたとしても、現地の空気を吸って街を体感する機会がまずありませんでした。その反動か、今はある程度自分のペースで車に乗って、バイクで風を感じられるのも嬉しいですね。

 

――ラリー中に景色を楽しむ余裕はありますか。

梅本 競技中はないですが、たとえば北海道のラリーでは、直線距離がすごく長かったのが印象的でした。レッキ(=事前走行)では基本的に速度を落とすので、後からオフィシャルさんが撮った写真で確認しながら、めちゃくちゃカッコいい場所だったなと思うことはありますね。

 SKE時代からのファンの中にも、今も継続して応援してついてきてくださる方がたくさんいます。当時から、私たちが各地でライブする度に旅行気分で来て下さったり、その土地の美味しかった食べ物を教えてくれたり、アクティブなファンの方も多いですね。はじめはまったく車のことは知らなかったけれど、徐々に関心を持ってくださる方もいて嬉しいです。

看護師になるのが夢だった

――そもそもなぜ梅本さんはアイドルを目指されたのですか。

 梅本 高校卒業後は看護師を目指そうと思っていたんです。一方、子どもの頃からクラシックバレエやジャズダンスを習い、チアリーディングをするために高校選びをするほど、私にとってダンスが日常でした。高校卒業後もダンスを続けるなら東京に行きたい。しかし、母親を一人残していくのは気が引ける。それなら看護師は憧れの職業だったし、地元でも働けるかなと思ったんです。

 ただ、母親に進路の相談をすると、「SKEのオーディションというものがあるので、受けてみない?」と言われました。「落ちたら諦めもつくけれど、1回挑戦してみたら?」と勧めてくれて。