3月19日に東京・グランドプリンスホテル高輪で授賞式が行われた「第44回日本アカデミー賞」で、映画「ミッドナイトスワン」に主演した草彅剛(46)が最優秀主演男優賞を受賞した。
壇上に立った草彅は「いや、あの、マジですか、って感じですね。いいんすか? どうしようかな、これ」と声を詰まらせた。そして「なんか、奇跡が起きるんだなと思って。諦めたりしないで一歩ずつ。たまには振り返ることも、人間誰しもあると思うんですけど、またそこから少しでも進むと、なんかいいことあるんだなと思って。本当にこの映画を愛していただいてありがとうございました」と感謝の言葉を口にした。
日本アカデミー賞は“ジャニーズのための賞”?
「ミッドナイトスワン」は最優秀作品賞も受賞し、日本アカデミー賞で堂々の2冠となった。昨年9月の公開以来、観客動員は52万人を超え、興行収入7億円超というスマッシュヒットになった同作品。映画館へ複数回足を運ぶ人も多く、“追いスワン”という流行り言葉も生んだ。
それでも、日本アカデミー賞を取ると考えていた映画関係者はほとんどいなかった。日本アカデミー賞とジャニーズ事務所の密接な関係は、業界では周知の事実だからだ。
「草彅は言わずと知れた元SMAPメンバー。2017年9月に稲垣吾郎(47)、香取慎吾(44)と共にジャニーズ事務所を離れて独立し、SMAPを育てた元マネジャー・飯島三智氏の下で『新しい地図』として活動してきました。しかしジャニーズからの有形無形の圧力や、忖度によってテレビやスポーツ紙に登場する機会は大きく制限されていました。そして、日本アカデミー賞は、ジャニーズと関係が深い日本テレビが放映権を持っています。そんな賞で、ジャニーズを“裏切った”草彅が選ばれたわけなので、ザワつくのは無理もないです」(芸能事務所関係者)
草彅は自分の立場がどれほど厳しいかをわかっていたからこそ、受賞を「奇跡」と言ったのだ。