宮内庁担当記者は「ありえないことが起きた」
宮内庁OBで皇室ジャーナリストの山下晋司氏が解説する。
「記者会見の内容が漏洩するのとお歌そのものが漏洩するのとでは重みが違います。お歌は1つの作品であり、天皇陛下の御前で初めて披講(または発表)されるものです。歌会始には一般の人から選出された預選者10名も出席しますが、事前にお歌の内容を漏らしてはいけないことが要項に明記されています。もし事前に発表してしまうようなことがあれば失格になります。儀式で初めてお歌が披露されることに意味があるのです」
宮内記者会(宮内庁担当の記者クラブ)は皇居内にある宮内庁庁舎の2階に記者室があり、新聞・通信局、テレビ局の15社20数名が常駐している。月に2回行われる長官会見に加え、毎週行われる次長と侍従次長、皇嗣職大夫の定例会見には記者たちが出席し、天皇、皇后や皇族の予定の発表などが行われる。皇室関連行事がある際には取材に関するレクチャーも行われる。
今回の歌会始の儀に関しても、天皇や皇族が披露する歌とその歌が詠まれた背景説明を記したペーパーが1週間前に配られていた。前出・宮内庁担当記者が続ける。
「新潮の早刷りが出回ってすぐに、記者クラブの“総会”が開かれました。皇族が披露する歌とその背景が書かれたペーパーをどう扱っていたか、各社が調査して幹事社に報告することになりました。『ありえないことが起きた』という認識です」
今回、あらぬ形で波紋を広げてしまった眞子さまのお歌。事前にお歌を公表し「眞子さまの歌は小室圭さんへの恋文だ」と紹介した「週刊新潮」に対して、2018年から皇室の和歌を指導する御用掛を務め、歌会始の儀の歌の選者も務める篠弘氏は「新潮報道は不適切なもの」と語る。