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 だから、そういうことに対処する時には、過去に同じような経験をした人の本を読んだり、映画を見たりしてほしい。客観的に見たら、悪意をもって攻撃してる方が悪いというのがわかるので。自分を責めてしまう心を、冷静な分析で少し休めることができるんじゃないかという気がします。 

――逆に加害者側に回ってしまっている人に対して、何か言いたいことはありますか。 

北村 そうですね。今回は色んなレイヤーの加害者がいますね。呉座さんのアカウントをフォローしてたしてないとか、ツイートにいいねしてたしてないとかで揉め事が起きているのは、ちょっとそこじゃないのでは、と思います。アクセス稼ぎブログでデマを流している人に関しては、言語道断だと思いますが。

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 あともう一つよくわからないのは、やたらと仲介しようとする人たちがいて、そういうのはいいです。

 やり方にもよりますが、直接謝罪の申し入れを仲介するならまだいいと思うんです。でもそうではなくて、「もう向こうは謝ってるんだから話し合いしたらどうですか」とか、私のことも呉座さんのことも知らない人が言ってくるんですよね。それはわけがわからなくて。 

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――何のために……。 

北村 他人との距離感がちょっとおかしいですよね。 

――距離がおかしいのと同時に、「これ以上事を大きくするな」というニュアンスが入ってるような気もします。 

北村 一番腹が立ったのが、「今後の人文学のために」とか言ってる人がいて。それはちょっとさすがにふざけんなと思いましたけど。そもそもたぶん今後の人文学がやらないといけないのは、もっと全体的なハラスメント予防対策だと思います。 

油断があったのではないか

――そもそもなんですけど、鍵がついてたとはいえ、実名で、結果的に自分の仕事まで脅かしかねないことを、なぜ口にしてしまうのか……。 

北村 油断があったのでは。中世史では数人しか知らない陰謀でも漏れるのに、(鍵アカウントをフォローしていた人が)4000人いたら普通に漏れるだろうと思うんですが……。

 同じ組織内のハラスメントだと、懲戒や解雇がありうるんですけど、異なる学会同士のハラスメントを調整する機関ってまだないんですよ。だからその辺りの油断があったのかもしれないと思います。