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「千を出せ!」我修院達也70歳が明かす『千と千尋』アオガエル“キャラ声”誕生の「秘密兵器」

我修院達也さんインタビュー #1

2021/04/02

source : 文藝春秋 digital

genre : エンタメ, テレビ・ラジオ, 映画, 読書

「真似されるのって、ものすごくうれしいのよ」

――『千と千尋の神隠し』は、米アカデミー賞長編アニメーション映画賞を受賞、国内での興行収入は316億8000万円にのぼり、2020年12月に『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』に抜かれるまでは約20年にわたってトップの座にいた国民的映画ともいえる作品ですよね。〈青蛙〉と彼の声で喋る〈カオナシ〉を演じて、なにか大きく変わったことはありますか?

我修院 若いファンが増えましたよね。特に、お子さんとか若いママさん。道を歩いてたらママに「我修院さんですよね?」って声を掛けられて、幼稚園生くらいの子に「ねぇねぇ、アオガエルやって~」とせがまれるようになったからね(笑)。

 テレビにゲストで出るじゃないですか。その際も「〈青蛙〉をやられた我修院さんです」とか紹介されて「ウェ、ウェ」なんてやりながら出てくるものだから、顔も「ウェ、ウェ」と言っている状態のものが浸透しちゃってね(笑)。

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『千と千尋の神隠し』より

――〈青蛙〉の声は真似したくなるくらい魅力がありますし、作品とともに「千はどこだ、千を出せ!」のセリフは我々のなかに入っちゃっている感じがあります。

我修院 真似されるのって、ものすごくうれしいのよ。若人あきらの時代に郷ひろみ君のモノマネをしていたわけでしょ。真似されるということは、「僕が誰かの偽者じゃなくて本物になったんだ。誰かの真似をする側から、誰かに真似される側になったんだ」ということ。それがなんとも気持ちいいんです。

©末永裕樹/文藝春秋

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