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「パン屋ではおにぎりを売れ」その心は…新しいアイデアや問題解決する方法

『パン屋ではおにぎりを売れ』(柿内尚文 著)――ベストセラー解剖

2021/04/07
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『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』(柿内尚文 著)かんき出版

 思わず「その心は?」と問いたくなるタイトルの本が順調な売れ行きだ。

 著者は、企画した本のうち50冊以上が発行部数十万部を超えるというヒットメーカー編集者。『医者が考案した「長生きみそ汁」』『「のび太」という生きかた』など数々のベストセラーをチームで輩出。本書では、そのヒット誕生の過程にある独自の《思考法》を披露している。

《考えるとは「広げること」と「深めること」である》と著者は言う。「広げる」とは可能性を考え、「深める」とは本質的価値を考えていくこと。これによって新しいアイデアや問題解決法が導かれる。ではどうすれば「広げ」・「深め」られるのか。その方法が具体的に、「かけあわせ法」「ずらす法」「360度分解法」など計12通り紹介されている。

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「本書の《考える技術》は、本の企画だけでなくあらゆるビジネス、また人間関係、お金、健康等、生活面のさまざまな課題にも応用できます。ゆえに幅広い層に支持されているのでしょう」(担当編集者の庄子錬さん)

 冒頭のクイズや、本を手に取った者だけがクスッとできる帯・カバーの仕掛けなど、遊び心も満載の一冊。

「本文中に《「考える」ときには「遊び心」も加える》というくだりがありますが、本書の編集でも「遊び」に力を入れました(笑)。タイトルの意味も本文で明かされています」(庄子さん)

2020年6月発売。初版6000部。現在10刷5万8000部(電子含む)

「パン屋ではおにぎりを売れ」その心は…新しいアイデアや問題解決する方法

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