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「闇カジノを摘発しても、ケツ持ちの暴力団までは…」警察を悩ませるヤクザの巧妙な“博打ビジネス”

ヤクザとしきたり#10

2021/04/04

genre : ニュース, 社会

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有名なスポーツ選手も賭博に…

 勝った時の高揚感が忘れられずに通い続けてしまったのか、2016年4月に闇カジノをめぐり衝撃的な事実が発覚した。

 現在、バドミントン男子シングルス世界ランキング1位の桃田賢斗が都内の闇カジノ店で賭博を行っていたことを記者会見で明らかにした。現在、東京五輪でメダル獲得が期待されている桃田だが、当時はリオデジャネイロ五輪の出場前のことで、賭博発覚で無期限の出場停止、リオ五輪への出場の道も絶たれることとなった。

記者会見で謝罪するバドミントンの桃田賢斗選手(2016年) ©️文藝春秋

 会見で桃田は、バドミントンの先輩選手に誘われて2014年10月から、6回ほど店へ行ったことを明かした。「リオ五輪がほぼ確定している中で、みんなの期待を裏切ってしまい申し訳ない気持ち」と謝罪した。

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「1回10万円くらい持って行き、トータル50万円負けた。いけないこととは分かっていたが、好奇心もあり、楽しんでいる自分もいた」と率直に打ち明けた。桃田を誘った先輩選手は60回にわたり店に行き、トータルで1000万円負けたという。

 有名なスポーツ選手の賭博問題はこれ以前にも発覚しており、多くの非難の対象となっていた。

 2010年5月、大相撲の人気力士らによる野球賭博が発覚。警視庁が強制捜査に乗り出すと、相撲で八百長が行われたことも判明。多くの逮捕者が出た。さらに2015年には、プロ野球巨人の選手らが野球賭博に関与していたことが発覚。選手らは球界から一時追放となったほか、球団にも処分が下った。

 大相撲、プロ野球と人気スポーツ選手らによる賭博が問題になったにもかかわらず、闇カジノに通っていたことで桃田への風当たりは強かった。ただ、その後は出場停止処分が解除されており、最近のインタビューでは東京五輪に前向きな発言をしている。