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「うちらも捕まるんじゃないか」警察は取り締まりを強化…それでも解決しない“歌舞伎町の根本問題”

『性風俗サバイバル』より #2

2021/04/08
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 しかし、彼女たちの多くは、公的支援で苦い思いをしてきた経験がある。行政や福祉を信頼していない。特に施設出身であればなおのこと、施設や母子寮などに一時保護されることも拒む傾向があるように見えます。また、誰かからお金を借りるのが嫌で、自分で何とかしたい、と考えている女性も多いです」

公助とつながるための前提をつくる

 風テラスに相談に来る女性の中でも、一時保護されることを拒む女性は一定数存在する。彼女たちは、コロナの影響で出勤しても稼げなくなり、所持金が尽きて住まいを失い、ホテルやネットカフェで暮らしていてもなお、「体験入店すればなんとかなる」「明日から出稼ぎに行けば、なんとかなる」と、固く信じている。

 それだけ、彼女たちは性風俗や売春の世界(が与えてくれるであろう高収入)を信頼している。そして、それ以外の他人や公的支援を全く信頼していない。

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坂本「彼女たちは、お金が無くなったら、性風俗店に体験入店するか、デリヘルなどに在籍して地方に出稼ぎに行く、ということを繰り返している。でも結局、どうにもならない。そこで「現実は予想以上に厳しい」ということを分かってもらえたら、こちらの助言や提案にも耳を傾けてくれるようになる可能性はあります。

 1、2回の声掛けで反応を示す女性は少ないです。実際に女性から身辺の状況や、困りごとなどを話してもらえるようになるまでには、それなりの時間がかかります。関係性を築けるまで、地道に足を運び、声を掛け続けるしかない。その繰り返しの中で、ようやく挨拶をしてくれるようになり、少しの立ち話につき合ってくれるようになり、ちょっとした身の上話などもしてくれるようになる。

 こうした関係を積み重ねることで、一定の信頼が得られたら、彼女たちの方から連絡をくれるようになります。「これから出稼ぎに行ってきます!」という報告や、「クソ客ばっかりです」という愚痴、「性病をうつされたんだけど、保険証を使わずに性病検査できるところってありますか?」「同じ施設出身の子が大変なので、なんとかしてくれませんか?」「死にたい衝動が強くなってる。どこかいい精神科を知らないですか?」という相談も届くようになります」

 路上に立つ彼女たちを排除・摘発するだけでは、問題は根本的には何も解決されない。彼女たちを公助につなぐためには、警察と行政、民間の支援団体による連携が必要になるが、そのための課題は山積している。