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“次のリーダー”を狙う人にとっても大きなチャンス

 様々な問題が噴出して、結局は変わらなかったものは、やがて人々の興味の範疇から外れ、人気を失っていく。反対に、この機に「変われる」ことを示せた組織は、ひとつの新しい未来を切り拓きながら次の時代へ、民意の興味と共感とともに生き残っていくのではないでしょうか。

 今は、“次のリーダー”のポジションを狙う人にとっても大きなチャンスです。

 コロナ禍で危機に立たされたスポーツ界。各々が新たな取り組みを模索していることは理解していますが、パラダイムシフトと呼べるような劇的な変化は起きていないように思います。だからこそ、思いきって大胆なアイディアを打ち出せば、大きな話題になり、世論の支持も得られるでしょう。それを追い風にして、リーダーの座へ近づけるチャンスだと思います。

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 ひとつだけ留意すべき点があるとすれば、そのポジションの取り方です。

 森喜朗氏が川淵三郎氏に組織委会長職を“密室”でバトンタッチしようとしたような後継指名のあり方、ある種の“禅譲”が、これまでのスポーツ界ではまかり通ってきました。そのため、前任者かつ任命者の影響力が強くなり、結果として「中間管理職的なリーダー」しか出てこない、という構造的な問題が残り続けてきました。

 また、そうしたトップ選任の手法では、リーダーを志す、その能力も資質もある人材がいたとしても、ポジションを取るチャンスすら与えられない、という状況が生じてきました。

 本来的には、私は、多くのリーダー候補者に平等に機会を与えるために、可能な限り選挙制を導入すべきだと思います。

 そうすることで、今よりはるかにましな、健全な世代交代が進んでいくのではないでしょうか。

©️iStock.com

今こそ「我こそは」と歩み出るべき

 当然のことながら、政治の世界ではトップは直接間接問わず、選挙によって選出されます。変革の必要性を社会が共有したとき、それは民意となって投票結果に反映され、従来のしがらみを越えて、新たなリーダーが誕生します。

 大阪府知事や、先日誕生した新しい千葉県知事などがいい例でしょう。与野党の政争にとらわれず、国民目線である種の“自治領”をつくり上げようとしているように見えます。しがらみと保身に囚われない“中間管理職”ではないトップとして、自立したリーダーとして、独自の考え、判断に基づいて、施策を展開することに共感が育まれる時代です。そういったリーダーが日本中に誕生することに、国民もコロナ後の時代への期待感を抱くのではないでしょうか。

 さて、現状のスポーツ界に、こうした時代の潮目を察知し、声を挙げていく、リーダーはいるでしょうか。

 さまざま困難はあっても、その競技、その組織を今後、より発展させていきたいと心から願うのであれば、次のリーダーを志す人たちは、「我こそは」と歩み出るべきだと思います。

 コロナがあるから、今は守りだ。

 そう思っているスポーツ関係者が多いからこそ、あえて今、私はこう強調したいと思います。

 今がまさに、新しくリーダーを志す人がそのポジションを掴み取りにいく時です。

※さいたまブロンコス公式サイト https://broncos20.jp/
※池田純オフィシャルサイト https://plus-j.jp/