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Q.お金に困ってしまう人って今どんな問題を抱えているの?

N本 不況不況って言われていますけど、今、お金に困っている人って、どんな人でしょう?

K藤 少し前なら多重債務(*2)なんかが社会問題になってたわね。

*2 銀行やカード会社など、複数の貸金業者からお金を借りている状態のこと。

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多重債務者が減ったワケ

N本 多重債務……あちこちの会社でキャッシングをして、月々の支払い額がものすごい金額になってしまった人たちですよね。借金返済のためにお金を借りてはまた返しの繰り返しで、苦しんでいる人がたくさんいましたよね。最近、多重債務問題が減ってきたのは、2006年に総量規制(*3)に関する法律が成立してからと言われています。

*3 国が一人につき、一度に借りられるお金の金額に制限をかけたこと。借入金額の上限を年収の3分の1とし、2007年から段階的に施行された。

K藤 N本にしては珍しく真面目なことを言うじゃない。そう、2006年に成立した改正貸金業法は多重債務の防止を目的とした総量規制や救済措置を盛り込んだ法律だったの。それによって多重債務者は劇的に減少したわ。ただ逆に困ったことが起きているのも現実なのよ。

N本 えぇっ、いいことばっかりじゃないんですか~⁉

総量規制の功罪とは

K藤 お金を借りたくても借りられない人が出てきちゃったのよね。本当にお金に困っているのに、総量規制のせいでどこも貸してくれないという状況が起こっているのよ。

N本 総量規制以上に融資をすると、貸した会社が法律で罰せられちゃうんでしたっけ……。

K藤 年収の3分の1までしかお金を借りられないってことは、年収が200万円だったら、66万円ちょっとが限度額ということでしょう? 子どもの入学金とか、海外旅行とか、ちょっと大きな出費が重なると、あっという間に限度額を超えてしまうというわけね。

N本 法を破ってお金を貸しているところ、いわゆる闇金でお金を借りる人が増えてしまうんですね。繁華街の電柱とかで「クレジットカード枠の現金化(*4)します」みたいな看板見かけたりしますけど、あれも言ってしまえば総量規制で借りられなくなった人を狙ったサービスですよね。

*4 クレジットカードのショッピング用限度額を利用して、その枠内で現金に換金するサービスのこと。一度クレジットカードで業者から商品(といっても価値のないものの場合がほとんど)を購入することで、その購入した商品の金額の一部を業者から受け取るしくみ。