「人見知りで話しベタで気弱」を自認する新卒女性が入社し、配属されたのは信販会社の督促部署! 誰からも望まれない電話をかけ続ける環境は日本一ストレスフルな職場といっても過言ではなかった。多重債務者や支払困難顧客たちの想像を絶する言動の数々とは一体どんなものだったのだろう。
現在もコールセンターで働く榎本まみ氏が著した『督促OL 奮闘日記』(文春文庫)から一部を抜粋し、かつての激闘の日々で身につけたお金についての基本的なノウハウを先輩との対談形式で紹介する。(全2回の2回目/前編を読む)
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Q.カードの返済に困ったら、どうしたらいいの?
N本 先輩~、友だちの旦那さんが複数のカードで買い物やキャッシングをして、返済できなくて困っている、って相談を受けたんですけど……。
K藤 そういう人って意外といるのよ。カードや借金で困ったら、ひとりで悩んでいないで、まずは専門機関に相談しに行くのをおすすめするわ。
N本 えっ? よく電車の中に「多重債務に困ったらご相談を」とかって広告が貼ってありますけれど、ああいうところ?
おすすめの専門機関は?
K藤 う~ん。ああいうところは、確かにお金関係を専門にしている弁護士や司法書士がいるんだけど、まずは無料相談窓口のある法テラス(日本司法支援センター *1)、日本クレジットカウンセリング協会(*2)、消費生活センター(*3)、日本貸金業協会(*4)などに相談に行くのをおすすめするわ。
*1 正式名称は日本司法支援センターで、法テラスが愛称。独立行政法人で、もっと国民が気軽に法制度を利用できるようにと、2006年に設立された。
*2 金融庁の管轄下にある公益財団法人で、主に多額のローンや多重債務に苦しむ人のための相談窓口。
*3 都道府県や市町村が運営している消費者のための相談窓口。主に買い物についての問題を取り扱う。
*4 消費者金融、カード会社、信販会社などの貸金業者が集まって自主的に組織した機関。利用者のトラブルや悩みなどの相談にのってくれる窓口もある。
N本 なるほど、いろんな組織があるんですね。そこではどんなことをしてくれるんですか?
K藤 法テラスなどは任意整理や自己破産といった法律を使った債務整理の方法を教えてくれるわ。その他にも支出を見直して返済計画の相談にのってくれたりね、当たり外れがあるって言う人もいるけど、ひとりで悩んでいるよりはまず誰かに相談するだけでも、大きな一歩になると思わない?
N本 確かに、誰かに現状を話すだけでもスッキリしますよね~。自分の状態を客観的に見られるだけでも、だいぶ違いますもんね。