「人見知りで話しベタで気弱」を自認する新卒女性が入社し、配属されたのは信販会社の督促部署! 誰からも望まれない電話をかけ続ける環境は日本一ストレスフルな職場といっても過言ではなかった。多重債務者や支払困難顧客たちの想像を絶する言動の数々とは一体どんなものだったのだろう。
現在もコールセンターで働く榎本まみ氏が著した『督促OL 奮闘日記』(文春文庫)から一部を抜粋し、かつての激闘の日々で身につけたお金についての基本的なノウハウを先輩との対談形式で紹介する。(全2回の1回目/後編を読む)
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Q.1円2円の少額でも返さないとカードって解約になっちゃうんですか!?
N本 最近10円や1円単位でカードを利用しているお客さまがいますけど、これも督促するんですか? 1円2円の延滞だと、督促のためにこちらからかけている電話代の方が高くつく、って思ってしまうんですけど……。
K藤 確かに、昔は100円単位でカードを使うことなんてなかったけど、最近はコンビニとかでも気軽にカードを使えるから、少額の請求も増えてるわね。あとは携帯電話のサービスとか、課金ゲームアプリ(*1)とかね。だけど、少額でも支払いは支払いだから、延滞したら信用情報に傷がつくのよ。
*1 オンラインや携帯、スマホでできるゲームのこと。基本は無料だが、ゲーム内で必要なアイテムには課金される。
ときには契約サービスの見直しも
N本 ええ⁉ 厳しい‼ 世の中便利になったからって安心してられないですね。スマホのゲームやアプリも数十円から数百円とかで買えたりしますし、安いと軽い気持ちで買っちゃいますからね。そう言えば私、携帯を契約するときになんとなく入ったサービスで、そのままになっていたのもあったような……。
K藤 携帯電話やネットのサービスを乗り換えるときにも、これとこれに入ると割引、とか言われてその場で申し込んじゃうものも結構あるしね。そういうのは、入ってもあとから見直しをして、必要のないものは解約する必要があるわよね。世の中、便利な分、どんどん複雑になっているから気をつけないと。1ヶ月あたりは数百円でも1年経てば結構な金額になるしね。
N本 うわ~、しかもそれが未払いになって自分のカードの信用情報に傷がつくなんて、本当に損ですよね!