「人見知りで話しベタで気弱」を自認する新卒女性が入社し、配属されたのは信販会社の督促部署! 誰からも望まれない電話をかけ続ける環境は日本一ストレスフルな職場といっても過言ではなかった。多重債務者や支払困難顧客たちの想像を絶する言動の数々とは一体どんなものだったのだろう。

 現在もコールセンターで働く榎本まみ氏が著した『督促OL 奮闘日記』(文春文庫)から一部を抜粋し、かつての激闘の日々で身につけたお金についての基本的なノウハウを先輩との対談形式で紹介する。(全2回の2回目/前編を読む)

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Q.友人から彼氏に借金があるかどうかを調べてと頼まれたのですが~。

 N本 友人から、結婚を考えている彼氏に借金があるかどうか調べてほしいと頼まれたんですけど、私的な理由で信用情報って見れませんよね?

 K藤 当然でしょ! 信用情報を見るには本人の同意が必要なのよ!

 N本 ですよね~。その友人も直接相手に聞けばいいのに。

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 K藤 お金のことってなかなか話題にしづらいわよね。でも結婚を考えているくらいなら、そういうことも知っておきたいのも分かるわ。今のコたちって結婚しても給与明細(*1)を見せ合わないらしいじゃない? 相手にいくら貯金があるかも知らないみたいだし。昔コンプライアンスなんて全然なかった時代にはこっそり信用情報を(*2)調べてた人もいたみたいだけどね。

 *1 企業などに勤めている場合、給与自体は振込のことが多いが、給与についての詳細が書かれている紙のことをいう。

 *2 昔は信用情報をもっと簡単に見ることができていたので、勝手に調べることができた(らしい)。現在は個人情報保護法により禁止されている。

借金があったからって騒がない!

 N本 ということは、もしかして、K藤先輩もやっていましたねっ⁉

 K藤 (ぎくっ)そ、そんなことないわよ!

 N本 え~ホントかなぁ。

 K藤 だいたいつき合ってる男に借金を隠されてるとか、信用されてないのよ! 借金があったからって騒がない! ものすごい金額ならそりゃケンカした方がいいけど、必要に迫られてのお金だったら受けとめてあげてほしいわねぇ。お金の問題はお互い腹を割って話した方が後々いいでしょ。