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「新入社員に慕われない上司」に欠けている視点

無意識のうちにこんな言葉をかけていませんか?

2021/04/19

新入社員は言われたことをこなすだけで精一杯

2.「自分の頭で考えろ」

 言われたことはやるけれど、それ以上のことはやらないと新入社員への不満を述べる上司は、新人はまだそれを期待できる段階にないことを忘れている。そもそも“それ以上のこと”をやっていいのか、どう動けばいいのかが新人にはわからない。下手に動いて迷惑をかけたくないという心理も働く。言われたことをこなすのが精一杯だ。

 専門職ならいざ知らず、新入社員は仕事への知識と経験が浅いことがほとんど。知らない物事を聞いても何をどう質問すればいいのかわからないのと同じだ。考えるに必要な知識量と経験値が少ないのだから、自分が考え行動することが正解なのか判断がつかない。またこんなふうに言う上司ほど、言わなくてもわかるだろうと部下の推察力に頼りやすく、きちんとした指示を出さない傾向がある。

質問しづらい雰囲気を作ってしまう上司

3.「なぜもっと早く報告しないんだ」

 いつでも何でも聞いてくれと言いつつ、質問に行っても顔を上げない。そして相手を見ない、表情を曇らす。「聞く前に自分で調べたのか」と問う上司もいる。その時の新入社員の表情や声音の変化を見れば、彼らがどういう状態なのかチェックできるが、目の前の仕事に追われそこが抜けてしまう。これが繰り返されると新入社員は質問するのが面倒になり、大きなミスにつながる可能性もある。

 作業の経過、仕事の状況を報告すると遅いと叱るが、その原因が自分にあることに気がつかない上司も多い。新入社員が報告にいっても「ちょっと待って」「後で聞く」と後回しにすると、自分のタイミングでしか部下の報告を聞かない上司だと刷り込むことになる。新入社員が報告するのは、その時に上司の判断を仰ぎたいからだ。必要なタイミングで必要なサポートが得られないのは、新入社員に戸惑いや不安を感じさせ、上司への信頼を損ねるきっかけになる。

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認めずアドバイスもせず「ダメ出し」だけしてやる気を削ぐ

4.「間違っていないが、私だったらこうしたね」

 報告してもやったことを認めず、ダメ出しばかりされると新人は自信をなくしてしまい、報告するのが嫌になる。細かなことで誉める必要はないが、何をどうやったのか、どこまでやったのか些細なことでも、新人だからこそ認めてもらいたいと思う気持ちがあるものだ。認められるというのは成長のステップにつながる。わずかな達成感でも味わわせてやることができない上司は慕われない。何をどうすればよいのかアドバイスもせず、「自分だったらこうした」と言われれば、「先にそう言えよ」と心の中で言いたくなる。こういう上司は新入社員のやる気を削ぎ、指示待ちの部下を作ってしまう。

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