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X氏本人を直撃。慌てる様子もなく「偽名の理由は……」

 4月15日、取材班は名古屋でX氏本人を直撃した。デニム地のロングコートに白セーターを着こなし、ヘッドホンで音楽を聴きながらスーツケースを引いていた。声をかけると、慌てる様子もなく立ち止まり取材に応じた。

――Xさんでしょうか。マッチングアプリでお会いされた女性たちの取材をしていまして、Xさんにもお話をお聞きしたいのですが。

X氏「はい」

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X氏が住んでいたマンション Ⓒ文藝春秋

――複数の女性と偽名を使って交際されていたのは事実ですか?

X氏「あえて偽名を使っていた理由はあります。真剣に交際相手を探すためでもあるし、妻帯者なので本名で交際していたら相手の女性が妻から訴えられる対象になる。そういうことも考えていました」

「素晴らしい方であれば結婚したいと思っていました」

――女性たちは「騙された」と感じているようです。

X氏「裁判でも訴えているように、家庭内別居状態で真剣に離婚を考えている中で、通常の恋愛の一環として付き合っていました。同時進行で付き合っていた人がいたことは否定しないですし、既婚者だったことが倫理的にどうかという話はあると思います。ただそれぞれの人と向き合って、素晴らしい方であれば結婚したいと思っていました」

――こうして訴訟になっていることについてはいかがですか?

X氏「謝罪の意思も伝えているのですが、それでは納得いかないということだったので、それならば公の場で話をする必要があるんじゃないかなと思っています。これはよくある話で、僕は情報商材を売ったわけでも金品を要求したりしたわけでもなく、家庭が不仲だった既婚者がマッチングサイトで複数の方とお付き合いしてそれがばれたので訴えられている、ということ。自分とはうまくいかなかったけれど、女性たちにはその情熱や金銭を別の出会いに使ってほしいと思っています」

 そこまで話すと、X氏はスーツケースを引いて歩き去った。

 次回の公判は5月に予定されている。